2025年9月26日

マーケティング

広告費をかけても成果が出ない本当の理由

広告ROI

「広告に毎月何十万円もかけているのに成果が見えない」

「Web広告のクリック数は増えているが、売上や商談につながらない」

中小企業のマーケティング担当者の多くが直面する課題です。ただ、「広告」によって大きな成果を上げている企業も少なくありません。では、広告費をかけても成果につながらず、ROI(投資対効果)が上がらない場合、何が問題なのでしょうか?

広告の目的は何か、成果は何か?

広告で成果が上がらないと言われる場合、まず「何のために広告を出すのか(目的)」や「広告の成果は何かのか」が曖昧なまま広告出稿をしていることが考えられます。

目的がはっきりしなければ、どのような広告を出すべきかも固められません。成果の定義がなければ、そもそも成果があるのか無いのかも分かりません。まず最初に確認しましょう。

もし目的や成果について定めているにも関わらず、結果が出ていない場合は、広告の設計や配信の仕方に次のような問題があるかもしれません。

1. 広告のターゲットが広すぎる

広告をとりあえず「広く配信」しても、本当に見てほしい見込み客には届きません。
ターゲットに合わせて広告デザインやテキスト、ランディングページ(LP)を最適化し、適切な場所・タイミングで配信することが重要です。

2. 広告クリエイティブと導線が一致していない

Web広告に限らず、多くの場合、広告からランディングページ(LP)などに誘導します。その際、広告のバナー画像やコピーが魅力的でも、LPや資料ダウンロードフォームの内容が広告と一致していないと離脱率が高くなります。

マスメディア広告や交通広告(OOH)などの場合も、広告を見て検索して訪問したWebサイトのイメージが広告と一致していなければ、違和感を感じて興味を持ってもらえません。

3. 広告の成果=売上とだけ考えている

ECサイトで販売するBtoC商品などの場合、広告から即売上につながることもありますが、購入に際し十分な検討が必要な高額商品やBtoBビジネスでは、広告から直接売上につながるわけではありません。

このような場合、広告はリード獲得(見込み客獲得)のための認知・集客の入口とし、その後のリード育成により、最終的な成果(売上)につなげます。広告の直接的な成果は「リード獲得」であるため、「広告の成果=売上」として捉えてしまうと、多くのリードを獲得したにも関わらず購入につながらなかった場合に、「広告の成果がない」と判断してしまう可能性があります。

 

成果が出ない本当の理由は“導線不足”

広告xマーケティング 導線

広告で成果が上がらないのは、広告だけではなく、「広告からリードを獲得・育成する仕組み(導線)」がない、もしくは弱いことが最大の原因です。

広告から売上につながる一般的な流れは、以下のような形です。

・広告 → ランディングページ(LP) → 資料ダウンロード(DL) ※リード(見込み客)獲得

・メールマーケティングやSNSでのナーチャリング ※リード育成

・(営業担当を含めた)定期的な接点 → 商談 → (フォローアップ →) 成約(売上)

導線の設計や実施がなければ、広告で獲得した見込み客は放置されることになり、商談・成約には結びつきません。

つまり、「広告」だけで売上獲得を考えるのではなく、マーケティング活動全体として考えることが重要です。

 

広告とマーケティングの役割を分ける

広告とマーケティングの違いは何でしょうか?マーケティング=市場調査のように捉えてしまうと、両者は別物とされてしまいますが、広義のマーケティングでは、広告はその活動の一部とされています。

そのため、まずは「マーケティング活動」としての目標や成果があり、それに基づいて「広告」の目標や成果が設定されます。

「広告」は、広告費を払って、見込み客の目に届くところを狙って、伝えたい情報を掲出できる特性があるため、マーケティング活動の中では「見込み客(リード)の獲得」につながる役割を担います。

一方で、マーケティング活動全体としては、獲得した見込み客(リード)を育成して購入につなげ、優良顧客になってもらい、将来に渡りリピート購入してもらう役割があります。

・広告:短期的な認知・集客

・マーケティング:中長期的な信頼形成・リード育成

このように、マーケティング活動全体で成果を追求することにより、広告費の投資対効果(ROI)が大幅に改善します。

広告xマーケティング

 

広告から成果につなげたケース紹介(業種別)

ケース1:ITサービス企業

課題:

自社オリジナルのITサービスをリスティング広告で宣伝。月額30万円をかけているが、資料請求が少ない。

改善策:

広告から直接資料ダウンロードページに誘導していたため、広告からの飛び先をランディングページ(LP)に変更。LP内で、サービス概要、導入メリットなどを紹介し、より詳しい情報を得るために資料ダウンロードをしてもらう形にした。
ダウンロード後には、ステップメールおよびメルマガを通じて、サービスの使い方や顧客事例を紹介し、より深く興味を持ってもらえるようにした。

広告→LP→資料DL→メールナーチャリング

結果:

資料DL数は3倍に改善。メールの反応を見て営業アプローチをかけることで商談化率も2倍に改善した。

ケース2:製造業(BtoB)

課題:

広告からの問合せや展示会だけでリード獲得をしてきたが、最近、商談化率が低下している。

改善策:

リード育成の不足が原因と考え、広告で集めたリードに対してメールニュースを配信、ウェビナーへ誘導することにした。セミナー参加者への営業担当フォローも強化した。

結果:

商談化率が20%向上し、成約率もアップ。広告の費用対効果が大幅に改善した。

ケース3:飲食チェーン

課題:

SNS広告で集客しているが、リピートにつながらない

改善策:

SNS広告をお店の近隣エリアに絞り込んで配信。訪問者にクーポンを配布し、来店を促した。クーポン取得の際にメールアドレスやLINE登録をしてもらい、メール・LINEで再来店キャンペーンの告知をできるようにした。

広告→クーポン配布→メール・LINEで再来店キャンペーン

結果:

再来店率が15%向上し、広告費用対効果も1.5倍となった。

<共通点>

いずれのケースも、広告は出しているものの、リード獲得やリード育成の導線が弱い状態。そのため、広告×マーケティング導線を設計し実施することで、広告からの成果を最大化することができた。

 

広告で成果を出すために見直すべき3つのポイント

これまで見てきたように、広告を最終的な成果につなげるためには、以下の3つのポイントが重要です。

  1. 広告の配信ターゲットは明確になっているか
  2. 広告から次の行動につなげる導線はあるか<リード(見込み客)獲得>
  3. 見込み客を購入に導く仕組みは整っているか<リード育成>

 

まとめ:導線設計が広告ROIを変える

広告ROI

広告が成果につながらないのは、広告自体の問題ではなく、広告とマーケティングをつなぐ導線不足が主な原因です。逆に導線を整えれば、限られた予算でも安定した成果を出すことができます。

広告は、広告費として費用がかかり、クリック数や集客の形で短期的に結果が見えやすい施策です。一方で、リード獲得やリード育成は、取り組み内容や費用が広告のように明確でないため、軽視してしまいがちです。

ただ、一部の商材を除いて、広告自体が即売上につながる訳ではなく、その場合の広告の役割は、集客や認知向上になります。広告での集客は、少し興味を持って立ち寄ってみた程度ですので、すぐに購入にはつながらず、離れていってしまいます。自社の商品・サービスを理解し信頼してもらって初めて購入に結びつくため、そのための仕組み(導線)が必要となります。導線設計こそが、広告のROI(投資対効果)を決めると言えるでしょう。

 

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