2026年8月18日

マーケティング

業種別 広告の勝ち筋6 住宅メーカーは一生に一度の決断を後押しする

 

住宅の購入は、多くの人にとって人生で一度か二度しか経験しない大きな決断です。金額の大きさだけでなく、何十年にもわたって暮らす場所を選ぶという重みから、消費者は時間をかけて比較検討を重ねます。

インターネットで間取りや価格を比較することは今や当たり前になっていますが、それだけで最終的な決断に至るわけではありません。そのなかで住宅メーカーが選ばれる決め手になるのは、間取りや価格以上に「このメーカーなら信頼できる」という感覚であることが、国の調査からも明らかになっています。

ここでは、不動産・住宅メーカーという業種において、なぜテレビ・ラジオといったマスメディアと、エリアを限定したOOH(屋外広告)の組み合わせが有効なのか、その理由と具体的な考え方について説明します。

 

「一生に一度の買い物」だからこそ問われる信頼

住宅という高額な商品を選ぶプロセスにおいて、消費者が何を重視し、どのように情報を集めているのかを、まずは客観的なデータで確認します。

住宅選びの決め手は「信頼できる住宅メーカーか」

国土交通省が実施した令和5年度住宅市場動向調査によると、注文住宅を取得した世帯が住宅を選んだ理由として最も多く挙げたのは「信頼できる住宅メーカー/不動産業者だったから」で、52.2パーセントの世帯が回答しています。これは「新築住宅だから」「一戸建てだから」「住宅のデザイン・広さ・設備等が良かったから」といった他の理由を上回る、最も高い割合です。

間取りや設備の良し悪しよりも先に、まず「この会社に任せて大丈夫か」という信頼の有無が住宅選びの土台になっているということが、この調査結果から読み取れます。裏を返せば、いくら優れた住宅を提案できたとしても、会社そのものへの信頼を築けていなければ、比較検討の候補にすら入れない可能性があるということです。

同調査は平成13年度から毎年続けられている継続調査であり、年によって多少の変動はあるものの、信頼できる会社かどうかという項目が上位に挙がる傾向は近年も続いています。

情報収集はインターネットへ、しかし出会いの場は住宅展示場

同じ調査では、注文住宅取得世帯の施工者を探した方法として「住宅展示場で」が50.4パーセントで最も多く、次いで「インターネットで」が42.0パーセント、「知人等の紹介で」が27.8パーセントという結果も出ています。

インターネットでの情報収集が主流になりつつある一方で、実際にメーカーと出会うきっかけとしては、依然として住宅展示場が最も大きな役割を果たしているということです。つまり、Web上での比較検討が当たり前になった今でも、消費者が最終的に足を運ぶ「リアルな接点」の重要性は変わっていません。
この住宅展示場という場に、いかに多くの見込み客を呼び込めるかが、集客の第一関門になります。

 

マスメディアとエリア限定OOHが担う異なる役割

信頼の獲得と、来場という具体的な行動の喚起。この二つの課題に対して、テレビ・ラジオとエリア限定OOHはそれぞれ異なる形で貢献します。両者は競合するメディアではなく、役割を分担するパートナーとして捉えることができます。

テレビ・ラジオが築く「知らない会社ではない」という土台

テレビCMやラジオCMは、一度に多くの人に接触できるマスメディアとして、企業の知名度と信頼感を底上げする役割を果たします。

前述の調査結果が示すとおり、住宅選びでは「信頼できる会社かどうか」が最大の決め手になるため、比較検討が始まる前の段階で「聞いたことがある会社」という土台を築いておくことには大きな意味があります。特に、地域に根ざしたハウスメーカーや工務店にとって、地元のテレビ局やラジオ局のCM枠は、全国区の大手ハウスメーカーに対抗しうる、地域内での知名度を築く手段になります。

家族で夕食をとりながら見るテレビや、車での移動中に耳にするラジオは、住宅購入を意識していない段階の消費者にも自然に接触できるという特性を持っています。両親や祖父母世代がテレビやラジオでその会社の名前を目にしていれば、実際に住宅を検討する子ども世代に対して「あの会社なら知っているし、しっかりしていそうだ」と後押しする材料にもなりえます。

エリア限定OOHが誘導する来場という具体的な行動

一方、駅の看板や電柱広告、ランドマークとなる場所へのOOHといった屋外広告は、特定のエリアに絞り込んで出稿できる点に強みがあります。モデルハウスや分譲地の周辺、あるいはターゲットとする商圏内の主要な生活動線に絞って広告を掲出することで、テレビ・ラジオでは伝えきれない「今、この場所で見学会をしている」といった具体的な行動喚起のメッセージを届けることができます。

テレビ・ラジオが広く信頼感を醸成するメディアであるのに対し、エリア限定OOHは「その気になった人」を実際の来場へと導く最後のひと押しを担うメディアだといえます。特に見学会や完成内覧会など、期間が限定されたイベントを告知する場合、対象エリアを絞ったOOHであれば、広告費を無駄なく該当エリアに集中させることができます。
両者を組み合わせることで、認知形成から来場誘導までの流れを、地域という単位で一貫して設計することができます。

 

導入イメージと、明日からできること

理屈だけでは実感が湧きにくいものです。ここでは仮の設定をもとに、この組み合わせがどのように機能しうるかを考えてみます。

もし地域の住宅メーカーがこの組み合わせを取り入れたら

たとえば、特定のエリアで分譲地の販売を控えている地域密着型の住宅メーカーがあったとします。仮にこの会社が、地元のテレビ局で会社の理念や施工実績を伝える15秒のCMを一定期間放映し、あわせて分譲地周辺の主要な道路沿いに見学会の案内看板を掲出したとしたら、どうなるでしょうか。

テレビCMを目にした視聴者は、すぐに住宅を検討していなくても「地元でよく見る会社」という印象を少しずつ蓄積していきます。そして実際に住宅を検討し始めたタイミングで、通勤や買い物の途中に見学会の看板を目にすれば、「あのCMの会社だ」という記憶と結びつき、気軽に立ち寄ってみようという気持ちが生まれやすくなると考えられます。

仮にこの会社が、CMと看板を数年にわたって継続し、そのたびに実際の施工事例やお客様の声を発信し続けたとすれば、地域の中で「信頼できる住宅メーカー」という評判が少しずつ積み上がっていくことも考えられます。
実際にどこまで再現できるかは会社の規模や地域によって変わってきますが、マスメディアによる信頼の土台づくりと、エリア限定OOHによる具体的な行動喚起を組み合わせることで、住宅展示場への来場につながる流れを設計できることがイメージできるのではないでしょうか。

媒体選びの視点

住宅メーカーが媒体を選ぶ際には、まず自社の商圏がどの範囲に及ぶのかを明確にすることが出発点になります。

広域から集客する大手ハウスメーカーであれば、テレビCMによる広範な認知形成が効果的ですが、特定のエリアに絞って営業する地域密着型の工務店であれば、地元ラジオ局のスポットCMや、商圏内に絞ったOOHのほうが費用対効果に優れる場合があります。
分譲地や見学会の告知は、開催時期に合わせてOOHを集中的に出稿し、会社そのものへの信頼形成は、時間をかけてテレビ・ラジオで積み上げていくというように、目的に応じて媒体の役割を分けて設計することが重要です。

前述の調査で信頼できるメーカーだからという理由が突出して高かったことを踏まえると、短期的な集客施策だけでなく、長期的なブランド形成への投資も並行して行う視点が欠かせません。インターネットでの情報収集が主流になっているからこそ、その手前にある「信頼」と「きっかけ」をどうつくるかが、今後の住宅メーカーの広告戦略の鍵になります。

 

まとめ

住宅という一生に一度の買い物において、消費者が最も重視するのは価格やデザイン以前に「信頼できる会社かどうか」であることが、国の調査からも明らかになっています。

この信頼は一朝一夕には築けず、日ごろの接触の積み重ねによって少しずつ形成されるものです。テレビ・ラジオによる広範な信頼形成と、エリアを限定したOOHによる具体的な来場誘導を組み合わせることで、Web上の比較検討だけでは生まれにくい、地域に根ざした安心感を消費者に届けることができます。

自社の商圏や規模に合った媒体の組み合わせについて詳しく知りたい方は、ぜひお気軽にお問い合わせフォームからご相談ください。

 

 

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