2026年8月19日

マーケティング

業種別 広告の勝ち筋7 飲食・小売はデータが導く来店と購買の導線

 

飲食店やチェーン展開する小売店にとって、来店客数をどう増やすかは終わりのない課題です。

看板やのぼりを出せば人が来るという時代はとうに終わり、今はエリアごとの特性や競合の状況を踏まえた、データに基づく判断が求められています。勘や経験だけに頼った出店・販促の意思決定は、当たれば大きいものの、外れたときの損失も大きくなりがちです。

特に複数の店舗を抱えるチェーンでは、一つひとつの判断の精度がそのまま全体の収益に影響するため、感覚だけに頼るリスクは小さくありません。
ここでは、飲食・小売チェーンという業種において、OOH(屋外広告)の効果を可視化する発想と、インストア施策を組み合わせることがなぜ有効なのか、その理由と具体的な考え方について説明します。

 

客数の奪い合いが続く飲食・小売業界の現状

まずは飲食・小売業界が置かれている現状を、客観的なデータで確認します。

客単価は上がっても、客数は伸び悩む構造

日本フードサービス協会が公表した外食産業市場動向調査2025年10月度の結果によると、外食産業全体の売上高は前年同月比107.3パーセントとなった一方、客数の伸びは103.2パーセントにとどまり、客単価の上昇分104.0パーセントが売上を押し上げる主な要因になっています。

同調査では、消費者の節約志向が根強く、半額などのお得なキャンペーンに集客効果が見られたことも報告されています。つまり、値上げによって単価は上がっているものの、来店客数そのものを大きく伸ばすのは容易ではなく、価格訴求のキャンペーンに頼らざるを得ない場面が増えているというのが実情です。

業態別に見ると、洋風ファストフードや低価格帯のファミリーレストランは比較的客数を伸ばしている一方、焼き肉業態のように客数の戻りが鈍い業態もあり、業態やメニューによって明暗が分かれている点も見逃せません。

経済産業省が公表している商業動態統計でも、百貨店・スーパーの既存店販売額は前年同月比で緩やかな増加にとどまっており、小売業も同様に、既存店だけで大きく客数を伸ばすことが難しい局面が続いています。

商圏という考え方と、勘に頼った出店・販促の限界

飲食・小売業では「商圏」という考え方が重視されます。店舗を中心に、徒歩10分から15分程度で来店する第1次商圏、自転車で来店する第2次商圏、車や電車で来店する第3次商圏というように、来店頻度や移動手段によって顧客の広がりを段階的に捉える考え方です。

コンビニエンスストアやスーパーマーケットのように日常利用が中心の業態ほど第1次商圏の重要性が高く、専門性の高い商品を扱う店舗ほど、より広い商圏からの来店を見込む必要があります。この商圏の中で、どのエリアに、どのタイミングで、どのような広告を出せば効果的なのかを判断するには、本来であれば地域ごとのデータの裏付けが必要です。しかし実際には、担当者の土地勘や過去の経験に頼って媒体を選んでいるケースも少なくありません。

効果が数値として見えにくいままでは、次の出稿判断も同じ勘に頼らざるを得ず、改善のサイクルが回りにくいという課題があります。

 

OOHの効果を可視化するという発想と、インストアでの後押し

勘に頼らない広告運用を実現するには、屋外広告の効果を数値で把握する仕組みと、来店後の購買を後押しする店内施策の両方が必要です。

どのエリアの、どの媒体が効いているかを数値で見る

屋外広告や交通広告は、これまで「なんとなく効いていそうだ」という感覚で評価されがちなメディアでした。しかし近年は、通行量データや来店データと掛け合わせることで、どのエリアの、どの媒体への出稿が来店にどれだけつながっているかを可視化する取り組みが広がりつつあります。
複数の候補エリアを比較したうえで、費用対効果の高い場所に絞って出稿するという判断ができれば、限られた広告予算をより効率的に配分できます。

これまでは出稿してみないと効果がわからず、結果として同じ媒体を惰性で使い続けてしまうというケースも少なくありませんでしたが、事前に比較検討できるようになれば、こうした無駄を減らすことができます。特に多店舗展開するチェーンにとっては、店舗ごとに商圏特性が異なるため、全店舗に画一的な広告を出すのではなく、エリアの特性に応じて媒体や訴求内容を変える判断が重要になります。

来店後の一押しを担うインストア施策

屋外広告によって来店のきっかけをつくったとしても、店内で購買につながらなければ売上には結びつきません。レジ前のモニターや売り場のポスターといったインストアメディアは、来店した顧客の購買を後押しする最後のひと押しとして機能します。屋外広告で認知した商品やキャンペーンを、実際に売り場で再度目にすることで、購買への迷いが減り、まとめ買いや追加購入につながりやすくなります。

屋外広告とインストア施策を連動させ、同じキャンペーンメッセージを一貫して伝えることで、来店から購買までの導線を切れ目なく設計することができます。

 

導入イメージと、明日からできること

理屈だけでは実感が湧きにくいものです。ここでは仮の設定をもとに、この組み合わせがどのように機能しうるかを考えてみます。

もしチェーン店がこの組み合わせを取り入れたら

たとえば、複数の店舗を展開する飲食チェーンが、新商品のキャンペーンを実施するとします。仮にこのチェーンが、通行量データをもとに来店見込みの高いエリアを絞り込んで屋外広告を出稿し、あわせて該当店舗のレジ前モニターで同じ新商品のキャンペーン映像を流したとしたら、どうなるでしょうか。

屋外広告を見て来店した顧客が、レジ前で再び同じキャンペーンを目にすれば、「そういえばさっきの広告の商品だ」と記憶が呼び起こされ、追加の注文につながりやすくなると考えられます。さらに、エリアごとの来店データを比較すれば、どの立地の広告が実際に売上に貢献したのかを検証でき、次回以降のキャンペーンでは効果の高かったエリアに予算を重点配分するという判断も可能になります。

仮にこのチェーンが、キャンペーンのたびにこうした検証を積み重ねていったとすれば、勘に頼っていた出稿判断が、店舗ごとのデータに基づく再現性のある判断へと少しずつ置き換わっていくことも考えられます。
もとより実際の成果は店舗や商品によって変わってきますが、勘に頼っていた広告判断を、データに基づく検証可能なプロセスに変えていけることがイメージできるのではないでしょうか。

媒体選びの視点

飲食・小売チェーンが媒体を選ぶ際には、まず店舗ごとの商圏特性と、獲得したい顧客層を整理することが出発点になります。

日常的な来店を促したい業態であれば第1次商圏に絞った媒体を、遠方からの来店も見込める業態であれば第3次商圏まで視野に入れた媒体をというように、商圏の広さに応じて媒体を使い分けることが重要です。そのうえで、可能な限り出稿後の効果を通行量や来店データと突き合わせて検証し、次の出稿判断に活かすというサイクルを回すことが、限られた広告予算を最大限に活用する近道になります。

屋外広告とインストア施策は、認知形成と購買後押しという異なる役割を担う組み合わせとして、多店舗展開するチェーンほど大きな効果を発揮しやすくなります。

 

まとめ

客単価の上昇だけに頼った売上確保には限界があり、客数そのものをどう増やすかが、飲食・小売チェーンにとって引き続き大きな課題です。

屋外広告の効果を可視化してエリアごとの出稿判断の精度を高め、インストア施策で来店後の購買を後押しするという組み合わせは、勘に頼った広告運用から一歩進んだ、データに基づく店舗誘導を実現する現実的な手法になります。一店舗単位では見えにくい傾向も、店舗横断でデータを積み重ねることで、次第に再現性のあるノウハウとして蓄積されていきます。

自社の店舗展開や商圏特性に合った媒体の組み合わせについて詳しく知りたい方は、ぜひお気軽にお問い合わせフォームからご相談ください。

 

運営者情報

運営者
株式会社キョウエイアドインターナショナル
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