2026年8月12日

マーケティング

業種別 広告の勝ち筋2 学習塾は親の動線を押さえる広告が効く

 

学習塾に通う本人は子どもですが、入塾を決め、月々の費用を支払うのは保護者です。この「通う人」と「決める人」がずれているという構造は、広告の届け方を考えるうえで意外と見落とされがちです。

スマートフォン広告をはじめとするWeb広告は保護者の情報収集において大きな役割を果たしていますが、それだけに頼るのではなく、保護者が日常的に立ち寄る場所での接触を組み合わせることで、より確実に検討の土俵に乗ることができます。

少子化が進み、限られた生徒をめぐる競争が年々厳しくなっている今、届けたい相手に、届けたいタイミングで情報を届ける工夫が、これまで以上に重要になっています。
ここでは、学習塾という業種において、なぜインストアメディアとWeb広告の組み合わせが有効なのか、その理由と具体的な考え方について説明します。

 

生徒獲得競争が激しさを増す学習塾業界の現状

学習塾業界は、少子化という構造的な逆風の中で、限られた生徒をめぐる競争が年々厳しくなっています。まずはその現状を数字で確認します。

少子化と倒産増加が示す市場の厳しさ

帝国データバンクの調査によると、学習塾の利用層にあたる6歳から18歳の人口は、2019年の約1405万人から2024年の約1336万人へと、5年間で約5パーセント減少しています。子どもの数そのものが減っている一方で、学習塾の数は必ずしも減っていないため、一つの塾が獲得できる生徒の数は相対的に縮小しています。
同社の別の調査では、2025年に発生した学習塾の倒産が46件と過去最多を更新したことも報告されており、少子化に加えて講師の確保難や物価高騰が重なり、経営体力の乏しい中小規模の塾から淘汰が進んでいる実態がうかがえます。

倒産した学習塾の多くが小規模経営であった一方、地域で一定のシェアを持っていた中堅塾にも淘汰の波が及んでいるとされており、これまで口コミや立地だけで生徒が集まっていた塾であっても、安泰とはいえない状況になりつつあります。この状況下で新規の生徒を獲得するには、限られたパイの中でいかに早く保護者の候補リストに入るかが重要になります。

決裁者である保護者に、どう情報を届けるか

学習塾選びにおいて、子ども自身が「通いたい」という気持ちを持つことはもちろん大切ですが、実際に情報を集め、複数の塾を比較し、最終的な契約を結ぶのは保護者です。つまり広告が本当に届けるべき相手は、必ずしも子どもではなく、費用対効果を冷静に見極めようとする保護者だということになります。

保護者は日々忙しい生活を送っており、限られた時間の中で塾の情報を能動的に探しにいくとは限りません。だからこそ、保護者が意識せずとも自然に目にする場所に情報を置いておくという発想が重要になります。
塾のパンフレットを取り寄せたり、体験授業を予約したりといった能動的な行動が始まる前の段階で、すでに名前を認識してもらえているかどうかが、比較検討の入り口に立てるかどうかを左右します。

 

保護者の情報収集行動と、判断を後押しするメディアの力

広告を設計するうえでは、保護者が実際にどのような手段で塾の情報を集めているのかを理解しておく必要があります。

塾選びにおけるインターネットと口コミの比重

Ameba塾探しが小中高生の子どもを持つ保護者3090人を対象に行った調査によると、塾を選ぶ際に参考にした情報として「インターネット検索をした」と回答した保護者が約45パーセントで最も多く、次いで「親同士の口コミ」が約36パーセントという結果が出ています。
また、インターネット上の口コミを参考にすると回答した保護者は約72パーセント、友人や子ども同士の口コミを参考にすると回答した保護者は約81パーセントにのぼりました。

この結果は、スマートフォン広告をはじめとするWeb広告が塾選びの入り口として非常に大きな役割を果たしていることを示しています。同時に、親同士の口コミという、対面のコミュニケーションの中で生まれる情報も無視できない比重を占めていることも読み取れます。
同調査では、親同士のリアルな口コミのほうが、インターネット上の口コミよりもやや信頼度が高い傾向にあったことも示されており、Web上での情報だけでなく、日常の会話の中で話題にのぼるきっかけをどうつくるかという視点も欠かせません。

Web上での検索や比較を後押しするには、その手前で「そういえばあの塾、聞いたことがある」という記憶や話題のきっかけをつくっておくことが効果的だと考えられます。

買い物という生活動線に接触するインストアメディアの強み

総務省が令和3年に実施した社会生活基本調査によると、家事や育児、買い物などにあてる家事関連時間は、週全体の平均で女性が3時間24分であるのに対し、男性は51分にとどまっています。この数値が示すとおり、スーパーマーケットやドラッグストアといった日常の買い物の場には、家庭の意思決定に関わる大人が高い頻度で立ち寄っています。

レジ前のモニターや売り場のポスターといったインストアメディアは、まさにこの生活動線の中で自然に目に入るメディアです。テレビや新聞のように能動的に情報を探しにいく必要がなく、買い物という日課の中で受動的に接触できる点が最大の特徴といえます。買い物という「ながら時間」の中で塾の名前や特徴に触れておくことができれば、帰宅後に子どもと交わす会話や、後日のインターネット検索のきっかけになりえます。

インストアメディアとWeb広告は、どちらか一方が優れているという関係ではなく、日常の中での気づきと、検討段階での比較という異なる役割を担うことで補い合う関係にあるといえます。

 

導入イメージと、明日からできること

理屈だけでは実感が湧きにくいものです。ここでは仮の設定をもとに、この組み合わせがどのように機能しうるかを考えてみます。

もしスーパーの店内でこの組み合わせを取り入れたら

たとえば、新学期を控えて生徒募集を強化したい個別指導塾があったとします。仮にこの塾が、近隣のスーパーマーケットのレジ前モニターに広告を掲載し、あわせて保護者世代がよく検索するキーワードでWeb広告を出稿したとしたら、どうなるでしょうか。

買い物中にモニターで塾の名前や特徴を目にした保護者は、その場では素通りするかもしれませんが、帰宅後に子どもへの声かけの中で塾の話題が出たときや、進級を機に「そろそろ塾を考えようか」という話になったときに、以前どこかで見た名前として記憶の中から浮かび上がってくる可能性があります。
そのタイミングでスマートフォンから検索した際に、Web広告や検索結果でその塾の情報に再び触れれば、比較検討の候補として自然に名前が挙がりやすくなると考えられます。

仮にこの塾が、新学期を控えた時期だけでなく、学期の変わり目や進級・進学のタイミングにあわせてこの組み合わせを繰り返し展開したとすれば、毎回の買い物のたびに目にする塾として、次第に地域の保護者の記憶に定着していくことも考えられます。
細部は塾によって異なるはずですが、買い物という毎日の生活動線と、検討段階でのWeb接触を組み合わせることで、単独のメディアでは生まれにくい記憶の連鎖をつくれることがイメージできるのではないでしょうか。

媒体選びの視点

学習塾が媒体を選ぶ際にまず考えるべきなのは、自塾の商圏内で保護者がどの店舗をどれくらいの頻度で利用しているかという生活動線の把握です。

小学生向けか、高校受験を控えた中学生向けかによっても、保護者が意識する情報の種類や検索のタイミングは変わってきます。小学生の保護者であれば周辺の店舗で日常的に接触することを重視し、受験を控えた中学生の保護者であれば、進学実績や指導方針をじっくり比較検討できるWeb上の情報を充実させておくといった使い分けも考えられます。

インストアメディアについては、店舗の客層や来店頻度のデータをもとに、自塾の対象年齢の子どもを持つ世帯が多く利用する店舗を選ぶことが重要です。あわせて、保護者がスマートフォンで検索する際に接触するWeb広告の設計を見直し、両者が同じメッセージで連動するように整えておくことで、接触から検討までの流れがより自然につながります。

倒産件数が過去最多を更新する中で、限られた予算をどこに配分するかは多くの塾にとって切実な課題です。だからこそ、店舗という接触ポイントとWebという検討ポイントの両方を無駄なく設計することが、これまで以上に重要になっています。

 

まとめ

学習塾の生徒獲得において、スマートフォン広告を中心としたWeb広告は保護者の情報収集の主要な入り口として欠かせない存在です。
そのうえで、少子化による競争激化という現実と、決裁者である保護者が忙しい日常を送っているという実態を踏まえると、保護者の生活動線に自然に入り込めるインストアメディアを組み合わせる発想は、Web広告の効果をさらに引き出すための有効な選択肢になります。

買い物という毎日の習慣の中に接点を持つことは、広告費をかけて新たな行動を促すのではなく、すでにある行動の中に情報を添える取り組みでもあります。

自塾の商圏や対象年齢に合った媒体の組み合わせについて詳しく知りたい方は、ぜひお気軽にお問い合わせフォームからご相談ください。

 

 

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