効果測定の前に確認したいこと  年度末の振り返りに使える4つの視点

 

年度末が近づくと、多くの企業で今年度の広告活動を振り返る時期がやってきます。
広告予算を使い切れたかどうかだけでなく、その投資が本当に成果につながったのか、来年度の計画に向けてどう改善すべきか。広告やマーケティングを担当する方にとって、この時期は忙しさと向き合いながらも、じっくり考えなければならない大切な節目です。

ところで、広告の効果を振り返るとき、こんな経験はないでしょうか。
管理画面の数字は悪くないのに、現場では「なんとなく効いていない気がする」と感じる。逆に、数字だけ見ると物足りないのに、営業担当からは「最近お客さまの反応がいい」という声が上がっている。このように、データで見える「数字」と、日々の業務で感じる「体感」のあいだにズレが生じることは、実はよくあることです。

このズレは、Web広告と交通広告では現れ方が異なります。
Web広告はクリック数やコンバージョン数など、数字がリアルタイムで見えるため、数字を追うことに意識が向きがちです。一方、交通広告や屋外広告は、直接的な数字が取りにくいため、「なんとなく効いている気がする」という体感が先行しやすい傾向があります。どちらの場合も、数字と体感の両方をテーブルに載せて、丁寧にすり合わせる作業が必要です。

ここでは、年度末に向けた広告効果の振り返り方法として、数字と体感をすり合わせるための4つのチェックポイントについて説明していきます。Web広告を中心に運用している方にも、交通広告を年間で掲出している方にも役立つ内容ですので、ぜひ参考にしてください。

 

目次

媒体によって数字と体感の出方が違う

広告効果の振り返りを始める前に、まず理解しておきたいのは、媒体によって「数字」と「体感」の出方が異なるということです。この前提を押さえておかないと、媒体ごとの特性を無視した評価をしてしまい、本当は効いている広告を止めてしまったり、効いていない広告に予算を割き続けたりする判断ミスにつながります。

Web広告は数字が先行する

Web広告の場合、クリック数、コンバージョン数、クリック率、コンバージョン率など、さまざまな数字がリアルタイムで取得できます。広告管理画面を開けば、昨日の成果も今日の成果もすぐに確認できるため、数字をもとに判断しやすい環境が整っています。その反面、数字ばかりを追いかけてしまい、「本当にお客さまに届いているのか」「ブランドイメージにどう影響しているのか」といった体感的な部分が後回しになりがちです。

交通広告は体感が先行する

交通広告や屋外広告の場合は、事情が逆になります。
電車の中吊り広告や駅のポスターは、Web広告のようにクリック数を計測することができません。効果を示す数字としては、乗降人員や輸送人員をもとにした推計リーチ数、あるいは業界団体が調査している広告到達率などがありますが、いずれも「このくらいの人に届いたと思われる」という推計値です。そのため、交通広告の効果は「営業先でお客さまから広告を見たと言われた」「社内の士気が上がった気がする」といった体感で語られることが多くなります。

マス広告は数字と心理効果が分離している

テレビCMをはじめとするマス広告も、視聴率やGRP(延べ視聴率)といった指標はありますが、それだけでは「広告を見た人がどう感じたか」「購買意欲が高まったか」といった心理面の変化はわかりません。心理効果を把握するためには、別途アンケート調査などを実施する必要があります。

このように、媒体ごとに数字の出方が異なり、体感が先行しやすい媒体もあれば、数字が先行しやすい媒体もあります。年度末の振り返りでは、この違いを理解したうえで、数字と体感の両方を見ていくことが大切です。

 

広告効果を測る共通の視点

媒体によって数字の取れ方は異なりますが、広告効果を整理するための共通の枠組みがあります。それが「接触効果」「心理効果」「売上効果」という3つの段階です。この枠組みを使うと、どの媒体であっても広告効果を整理しやすくなります。

接触効果

接触効果とは、広告がどれだけの人に届いたかを示すものです。
Web広告であればインプレッション数やリーチ数、交通広告であれば乗降人員と広告到達率を掛け合わせた推計リーチ数がこれにあたります。公益社団法人日本鉄道広告協会などが推進する「交通広告共通指標推進プロジェクト」では、車両メディアや駅メディアの広告到達率を調査し、交通広告の接触効果を数値化する取り組みが進められています。
まずは広告が生活者の目に触れなければ、そこから先の効果は生まれません。だからこそ、どれだけ多くの人に届いたかを把握することは、効果測定の基本となります。

心理効果

心理効果とは、広告を見た人の意識や態度がどう変化したかを示すものです。
ブランドの認知度が上がったか、商品への好感度が高まったか、購入を検討するようになったか。こうした変化は数字で直接計測することが難しく、アンケート調査やブランドリフト調査によって把握することが一般的です。
交通広告は、この心理効果を測定することが特に重要です。日本鉄道広告協会の調査によると、交通広告の接触者は非接触者に比べてブランドへの好感度が平均20パーセント以上高いという結果も出ています。こうしたデータを活用することで、交通広告の心理効果を説明しやすくなります。

売上効果

売上効果とは、広告が最終的な購買行動や売上にどれだけ貢献したかを示すものです。
Web広告であればコンバージョン数やROAS(広告費用対効果)、交通広告であれば来店数の変化や、問い合わせ時に「広告を見た」という声がどれだけ増えたかがこれにあたります。多くの企業にとって広告の最終目的は売上を伸ばすことですから、売上効果はもっとも重視される指標のひとつです。

3つの段階は階段構造

この3つの段階は独立しているわけではなく、接触効果があって初めて心理効果が生まれ、心理効果があって初めて売上効果につながるという階段構造になっています。
たとえば、交通広告でたくさんの人に届いているはずなのに売上が伸びないとすれば、心理効果のどこかでつまずいている可能性があります。広告は届いているけれど興味を持ってもらえていないのか、興味は持ってもらえているけれど購入の決め手がないのか。このように考えることで、改善すべきポイントが見えてきます。

 

チェック1 その広告の目的に合った指標を見ているか

ここからは、具体的な4つのチェックポイントを見ていきます。
最初のチェックポイントは、その広告の目的に合った指標を見ているかどうかです。
広告にはそれぞれ役割があります。認知を広げるための広告、比較検討を後押しするための広告、最終的な購入や問い合わせにつなげるための広告。それぞれの役割に応じて、見るべき指標も変わってきます。ところが実際には、すべての広告をコンバージョン数やCPA(顧客獲得単価)だけで評価してしまっているケースが少なくありません。

交通広告を認知目的で掲出している場合

たとえば、交通広告を年間で掲出している場合、その目的は多くの場合「認知の獲得」や「ブランドイメージの定着」です。毎日同じ電車に乗る人に繰り返し広告を見てもらうことで、じわじわと認知を広げていく。これが交通広告の強みです。
ところが、この交通広告を「コンバージョンに直結したか」だけで評価してしまうと、当然ながら数字は物足りなく見えます。交通広告の目的が認知であるならば、見るべき指標は認知率や想起率、あるいは指名検索数の変化です。

Web広告でも目的と指標のズレは起きる

Web広告でも同様のことが起こります。
ディスプレイ広告やSNS広告を認知目的で出稿しているのに、コンバージョン数だけで評価すると「効果がない」と判断してしまいがちです。認知目的の広告であれば、インプレッション数やリーチ数、あるいはブランドリフト調査による認知度の変化を見るべきです。

振り返りでやるべきこと

振り返りの際には、まず各広告媒体に何を期待していたのかを整理してみてください。
この広告は認知を広げる役割なのか、比較検討を促す役割なのか、最終的な刈り取りを担う役割なのか。それを明確にしたうえで、目的に合った指標を見ているかを確認します。もし目的と指標がずれていたことに気づいたら、来期は最初から目的に応じた指標を設定しておくとよいでしょう。

交通広告の場合、目的が認知であれば、指名検索数の推移を追っているか確認してみてください。広告を見た人が後からWebで検索するという行動は、交通広告の効果を示す有力な手がかりになります。また、問い合わせを受けたときに「何を見て当社を知りましたか」と聞いていれば、交通広告がきっかけになったケースを把握することができます。

目的と指標のミスマッチは、数字と体感のズレを生む大きな原因のひとつです。「数字は悪くないのに体感として効いていない」「数字は物足りないのに現場では手応えがある」というズレの多くは、見るべき指標が目的とずれていることから生じています。

 

チェック2 体感を裏付ける情報を集めているか

2つ目のチェックポイントは、体感を裏付ける情報を集めているかどうかです。
体感とは、たとえば「最近、お客さまの反応が変わった気がする」「営業先で広告を見たと言われることが増えた」「問い合わせの質が上がった気がする」といった、現場で感じる手応えのことです。
こうした体感は、数字には表れにくいけれど、広告効果を示す重要な情報です。しかし、体感を「なんとなく」のまま放置しておくと、振り返りの際に根拠として使えません。体感を裏付ける情報を意識的に集めておくことが大切です。

Web広告の運用では、数字が豊富に取れるため、体感を軽視してしまいがちです。
管理画面の数字だけを見て判断していると、「コンバージョン数は増えているけれど、問い合わせの質はどうなのか」「クリック数は多いけれど、本当にターゲットに届いているのか」といった部分が見えなくなります。
逆に、交通広告は体感に頼りがちで、「なんとなく効いている気がする」で終わってしまうことが多いです。どちらの場合も、体感を裏付ける情報を集める仕組みが必要です。

問い合わせ時に認知経路を聞いているか

体感を裏付ける情報を集めるために、いくつか確認しておきたいことがあります。
まず、問い合わせの受付時に「何を見て当社を知りましたか」と聞く仕組みはあるでしょうか。電話でもフォームでも、この一言を加えるだけで、どの広告がきっかけになったかを把握しやすくなります。交通広告を掲出している場合、「駅の広告を見ました」「電車の中で見ました」という声が集まれば、交通広告の効果を示す有力な証拠になります。

営業担当からフィードバックを集めているか

次に、営業担当からのフィードバックを定期的に集める場はあるでしょうか。
月に一度の営業会議で「最近、お客さまの反応に変化はありますか」と聞くだけでも、現場の体感を拾うことができます。営業担当は日々お客さまと接しているため、広告の効果を肌で感じていることがあります。「最近、広告を見たというお客さまが増えた」「以前より話を聞いてもらいやすくなった」といった声は、数字には表れにくい貴重な情報です。

SNSや指名検索を追っているか

さらに、SNSでの自社名や商品名の投稿数を追っているでしょうか。
無料のツールでも月次の推移を確認できます。交通広告が話題になっていれば、SNSで言及されることがあります。「〇〇の広告を見た」「〇〇駅のポスターが気になる」といった投稿が増えていれば、広告が認知されている証拠になります。

Google検索での指名検索数を定点観測しているかどうかも確認してみてください。Googleサーチコンソールを使えば、自社名やブランド名で検索された回数を把握できます。交通広告を掲出した期間に指名検索が増えていれば、広告を見た人が興味を持って検索した可能性があります。

体感情報は、拾いに行かないと集まりません。「効いている気がする」という感覚を、後から振り返るときの証拠として残しておくために、日頃から情報を集める仕組みをつくっておくことが大切です。

 

チェック3 媒体を横断した相乗効果を見ているか

3つ目のチェックポイントは、媒体を横断した相乗効果を見ているかどうかです。
多くの企業では、複数の広告媒体を組み合わせて出稿しています。交通広告で認知を広げながら、Web広告で刈り取りを行う。テレビCMでブランドイメージを高めながら、リスティング広告でコンバージョンを獲得する。このように、媒体ごとに役割を分担して広告を展開するのが一般的です。

ところが、効果を振り返るときには、媒体ごとに分断して評価してしまいがちです。Web広告はWeb広告の管理画面で、交通広告は交通広告の報告書で、それぞれ別々に評価する。こうした評価方法では、媒体を横断した相乗効果を見落としてしまう可能性があります。

交通広告がWeb広告をアシストするケース

たとえば、こんなケースを考えてみてください。
ある人が通勤電車の中で御社の中吊り広告を見て、会社名を覚えました。その後、仕事中に関連するサービスを探していて、検索結果に表示されたリスティング広告をクリックし、問い合わせに至りました。この場合、コンバージョンとしてカウントされるのはリスティング広告です。しかし実際には、交通広告がきっかけになって御社を認知し、その記憶があったからこそリスティング広告をクリックした可能性があります。

Web広告の世界では、こうした間接的な効果を把握するために「アトリビューション分析」という手法が使われています。コンバージョンに至るまでに接触した複数の広告に対して、それぞれの貢献度を配分して評価する方法です。交通広告とWeb広告の組み合わせでも、同じような視点が必要です。

媒体の役割分担を整理する

媒体の役割分担を整理すると、相乗効果が見えやすくなります。
交通広告の主な役割は、認知の獲得、信頼感の醸成、きっかけづくりです。毎日同じ電車に乗る人に繰り返し広告を見せることで、ブランド名を記憶に刷り込み、信頼感を高めていきます。交通広告の効果を数字で見るなら、指名検索数の変化や推計リーチ数を確認します。体感で拾うなら、「広告を見ました」というお客さまの声や、社内の士気向上などが手がかりになります。

Web広告の主な役割は、比較検討の後押しや、最終的なコンバージョンの獲得です。すでに興味を持っている人に対して、購入や問い合わせを促します。Web広告の効果を数字で見るなら、コンバージョン数、CPA、ROASなどを確認します。体感で拾うなら、問い合わせ内容の具体性や質の変化が手がかりになります。
このように、媒体ごとに役割が異なることを理解したうえで、全体の流れとして広告効果を見ることが大切です。

相乗効果を確認するポイント

相乗効果を確認するために、いくつかのことを見てみてください。
まず、交通広告の掲出期間と、指名検索数の推移を並べて確認したでしょうか。交通広告を掲出し始めた時期から指名検索が増えていれば、交通広告が認知に貢献している可能性があります。

次に、交通広告の掲出期間中に、Web広告のコンバージョン率に変化があったでしょうか。交通広告で認知が広がった結果、Web広告をクリックした人がコンバージョンしやすくなっている可能性があります。

また、交通広告にQRコードや専用URLを入れて、Webへの導線を計測する仕掛けをしていたでしょうか。最近では、交通広告からスマートフォンでQRコードを読み取ってWebサイトにアクセスするユーザーも増えています。専用のURLやパラメータを設定しておけば、交通広告からの流入を計測することができます。
交通広告は、Web広告のコンバージョンを「アシスト」する役割を果たしていることが多いです。単体で評価すると効果が見えにくくても、全体の流れの中で見ると、重要な役割を果たしていることに気づくかもしれません。

 

チェック4 外部要因を切り分けて評価できているか

4つ目のチェックポイントは、外部要因を切り分けて評価できているかどうかです。
広告効果を振り返るとき、数字の変動がすべて広告のおかげとは限りません。季節的な需要の変動、競合他社の動き、社会情勢の変化など、広告以外の要素が業績に影響を与えることは日常的にあります。こうした外部要因を考慮せずに評価すると、広告の効果を過大評価したり過小評価したりしてしまいます。

たとえば、夏に向けて季節商品の広告を出稿し、売上が伸びたとします。これは広告の効果なのでしょうか、それとも単に夏だから売れたのでしょうか。逆に、冬に同じ商品の広告を出して売上が伸びなかった場合、広告が効かなかったのでしょうか、それとも季節要因で売れにくかっただけでしょうか。季節変動の影響を受ける商品やサービスでは、広告効果と季節要因を切り分けて考える必要があります。

事前事後比較をしているか

外部要因を切り分けて評価するために、いくつかのことを確認してみてください。
まず、広告出稿前と出稿後のデータを比較しているでしょうか。いわゆる「事前事後比較」です。
広告を出す前の状態をベースラインとして把握しておき、出稿後にどう変化したかを見ることで、広告の影響を把握しやすくなります。
ただし、事前調査のタイミングを逃してしまった場合や、予算的に難しい場合は、問い合わせ時に「いつ頃から当社を知っていましたか」と聞くことで、仮想的に事前事後を設定する方法もあります。

前年同月比較をしているか

次に、前年同月との比較をしているでしょうか。
今年の数字と去年の同じ時期の数字を比べることで、季節要因を差し引いた広告効果を把握することができます。去年の同時期も同様の広告を出稿していた場合は、クリエイティブや媒体の違いによる効果の差も見えてきます。

掲出期間中の出来事を記録しているか

また、広告掲出期間中に起きた出来事を記録しているでしょうか。
テレビ番組で商品が紹介された、有名人がSNSで言及した、競合他社が大規模なキャンペーンを始めた、といった出来事は、広告とは関係なく業績に影響を与えることがあります。こうした出来事を記録しておくと、後から振り返るときに「あのとき、こういう外部要因があった」と説明できます。

競合の動きを把握しているか

競合他社の広告出稿状況を把握しているかどうかも確認してみてください。
自社の広告効果が落ちたと感じても、実は競合が大規模なキャンペーンを仕掛けていて、相対的に自社の存在感が薄れていただけかもしれません。業界全体の動向を把握しておくと、自社の広告効果を客観的に評価しやすくなります。

「何が起きていたか」を記録する習慣をつけておくことが、正しい振り返りの土台になります。広告の数字だけを追いかけるのではなく、その数字に影響を与えた可能性のある外部要因も合わせて記録しておきましょう。

 

次年度につなげる振り返りの進め方

4つのチェックポイントを確認したら、その結果を次年度の計画にどうつなげるかを考えましょう。振り返りは過去を評価するためだけでなく、未来をよくするためのものです。

媒体ごとの役割を整理する

まず、媒体ごとの役割を整理しておきましょう。
今年度、交通広告は主に認知を担う役割だったのか、Web広告は刈り取りを担う役割だったのか。それぞれの媒体が期待通りの役割を果たしていたかを確認し、来期の役割分担を明確にしておきます。役割が明確になっていれば、見るべき指標も自然と決まります。

成功パターンを言語化する

成功パターンが見つかったら、それを言語化しておきましょう。
なぜうまくいったのか、再現できる要素は何か。たとえば「この路線の交通広告を掲出した期間に指名検索が増えた」「このクリエイティブのWeb広告はコンバージョン率が高かった」といった成功パターンを言葉にしておくと、来期も同じ効果を狙いやすくなります。

効果が出なかった施策を分析する

効果が出なかった施策については、改善できそうかどうかを判断します。
媒体の選定がターゲットと合っていなかったのか、クリエイティブの訴求ポイントがずれていたのか、掲出期間が短すぎたのか。原因を特定できれば、来期に向けた改善策が見えてきます。原因がわからない場合や、改善しても効果が見込めない場合は、予算を他の施策に振り替える判断も必要です。

上司や経営層への報告で使えるフレーズ

振り返りの結果は、上司や経営層にも共有することになります。その際、数字だけを並べるのではなく、体感情報も合わせて説明すると、説得力が増します。

たとえば、こんな説明の仕方があります。「Web広告のCPAは前年より上がっていますが、交通広告を掲出した期間に指名検索が増えており、獲得までのトータルコストで見ると改善しています」。これは、Web広告単体の数字は悪化しているように見えても、交通広告との相乗効果で全体としては効率が上がっていることを示す説明です。

あるいは、こんな説明もできます。「コンバージョン数だけを見ると横ばいですが、問い合わせの質が変わっています。広告を見て当社を知ったというお客さまが増えており、来期はこの流れを強化すべきです」。これは、数字には表れにくい「質の変化」を体感情報で補足する説明です。

さらに、現場の声を活用する方法もあります。「数字には現れにくいですが、営業現場からはお客さまの反応が明らかに変わったという報告が複数上がっています。来期はこの体感を数字で裏付ける仕組みを整えたいと考えています」。これは、体感が先行している状態を認めつつ、来期に向けた改善提案とセットで伝える説明です。

「数字だけ」でも「体感だけ」でもなく、両方を組み合わせて説明することで、広告効果をより立体的に伝えることができます。そして、振り返りの結果だけでなく「来期への打ち手」とセットで報告すると、前向きな議論になりやすくなります。

 

まとめ

年度末の広告効果測定は、単なる数字の確認作業ではありません。今年度の広告活動を振り返り、うまくいったことと課題を整理し、来年度に向けた打ち手を考える。そのためには、データで見える数字と、現場で感じる体感の両方を大切にする姿勢が求められます。

この記事でご紹介した4つのチェックポイントを、改めて整理しておきます。
1つ目は、その広告の目的に合った指標を見ているかどうかです。認知目的の広告をコンバージョン数だけで評価していないか、交通広告の効果を指名検索数や認知経路で追えているかを確認してみてください。
2つ目は、体感を裏付ける情報を集めているかどうかです。問い合わせ時に認知経路を聞く仕組みがあるか、営業担当からのフィードバックを定期的に収集しているか、SNSや指名検索の推移をエビデンスとして残しているかを確認してみてください。
3つ目は、媒体を横断した相乗効果を見ているかどうかです。交通広告の掲出期間と指名検索数の変化を並べて確認しているか、Web広告のコンバージョン率に変化があったかを見ているか確認してみてください。
4つ目は、外部要因を切り分けて評価できているかどうかです。事前事後比較や前年同月比較をしているか、掲出期間中に起きた出来事を記録しているかを確認してみてください。

Web広告は数字が先行しやすいため、体感で検証する視点が必要です。交通広告は体感が先行しやすいため、数字で裏付ける工夫が必要です。どちらか一方に偏るのではなく、両輪で評価することが、正しい振り返りにつながります。

とはいえ、広告効果測定を自社だけで進めるのは、時間も手間もかかる作業です。どの指標を見ればいいのかわからない、交通広告の効果をどう説明すればいいか迷う、Web広告との相乗効果をうまく伝えられない。そうした課題をお持ちでしたら、ぜひ当社にご相談ください。
70年以上にわたり、交通広告から地域広告、デジタルマーケティングまで幅広く手がけてきた実績をもとに、年度末の振り返りから次年度の計画策定までサポートいたします。お問い合わせフォームから、お気軽にご連絡ください。

 

 

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