2025年12月11日
その他グリーンウォッシングの罠 ―企業とブランドを守る誠実な戦略―
いまや、私たちの目の前にある広告や製品パッケージ、企業の広報活動において、環境配慮をうたう言葉を見ない日はありません。企業が地球や社会への責任を果たすことは、もはや時代の要請であり、非常に大切な取り組みです。
けれども、その言葉が表面的に感じられる瞬間も、少なくありません。いいことを言っているはずなのに、どこか信用できない。気持ちはわかるけれど、具体的に何をしているのかが見えてこない。そんな“違和感”を、現代の消費者は驚くほど敏感に見抜くようになっています。
この“見せかけのエコ”を指す言葉が、グリーンウォッシング(Greenwashing)です。
現代のグリーンウォッシングは、その起源である1980年代よりもずっと複雑な様相を呈しています。悪意のあるごまかしだけでなく、善意で行った表現が、意図せず“嘘っぽく”見えてしまうことが、最大の問題になっているのです。つまり、誠実な企業であっても、伝え方を間違えると社会的な信頼を瞬時に失う。それがいまの時代の怖さです。
ここでは、グリーンウォッシングとは何か、そして広告や広報の現場でそれを防ぐためにできることを、企業や制作者の立場から、誠実な環境表現について、そして具体的に掘り下げていきます。
グリーンウォッシングの起源と現代的リスク
グリーンウォッシングは、単なる広告のミスではなく、社会の期待と企業の自己評価のズレという、根深い問題が背景にあります。その歴史的変遷と、現代において企業にもたらすリスクを深く理解する必要があります。
1. 1980年代の起源と見せかけの環境配慮
グリーンウォッシングという言葉は、1980年代にアメリカの環境活動家 Jay Westerveld によって生み出されました。
これは、「Green(環境)」と「Whitewashing(ごまかし、上塗り)」を組み合わせた造語であり、当初から「見せかけのエコ」という意味合いを持っていました。
当時、石油会社や化学メーカーといった環境負荷の高い産業が、自社の広告で緑色のロゴや自然の映像を多用し、“環境に優しい企業”のイメージを意図的に作っていました。
しかし、実際の事業活動はほとんど変わらず、環境負荷が高いままだったのです。消費者の目には「企業が自然を装ってごまかしている」と映り、その「上塗り」を批判する言葉としてグリーンウォッシングが広まりました。
当時は、主に意図的な欺瞞や誇大広告が批判の対象で、「悪意のある嘘」が焦点でした。
2. SDGsとSNSが加速させる消費者の監視
グリーンウォッシングの問題は、2000年代以降、特にSDGs(持続可能な開発目標)とESG(環境・社会・ガバナンス)投資の普及によって、複雑化と深刻化が進みました。企業に「環境への責任」が強く求められるようになった一方で、SNSの発達は消費者のチェック能力を劇的に高めました。
特に、サステナビリティに対する意識が高いZ世代やミレニアル世代は、企業の発信するメッセージに対して、その裏付けをSNSで共有し、検証することを習慣としています。「いい話」はすぐに拡散されますが、その取り組みに少しでも矛盾や誇張があれば、その「違和感」もすぐに拡散され、瞬時に「炎上」という形で企業を襲います。
このような状況では、企業は即時的な「レピュテーションリスク(企業の評判を揺るがすリスク)」に晒されます。広告表現は、かつてないほど繊細なバランスを求められ、善意の発信であっても、具体性が伴わなければすぐに信用を失う時代となったのです。
私たちが特に注意すべきは、1980年代のような悪意ではなく、「伝えたい」という善意が「よく見せたい」という自己演出にすり替わった瞬間に生まれる“浅さ”からの欺瞞です。
3. 倫理からガバナンスリスクへの移行
グリーンウォッシングは、もはや倫理の問題というレベルを超え、明確な法的リスクとガバナンスリスクとなっています。
世界的に規制が強化され、日本においても消費者庁や環境省が規制の網を広げています。法的な罰則はもちろん、ESG投資家からの評価低下という形で、財務にも影響が及びます。環境訴求に対する誤認が発覚した場合、株価の下落、投資撤退、金融機関からの融資の厳格化といった形で、企業経営全体にダメージを与えるのです。
広告や広報部門は、単にメッセージを発信するだけでなく、そのメッセージの「裏付けの正当性」や「サプライチェーン全体との整合性」を、法務部門やIR部門と連携して担保するという、企業統治の一端を担うことが求められています。これは、広告制作の現場が、企業の未来を左右するリスク管理の最前線にあることを意味します。
広告が陥る七つの罪

グリーンウォッシングの国際的な研究では、その欺瞞のパターンを類型化することで、企業が陥りやすいミスを明らかにしています。悪意があるなしに関わらず、誠実な企業であっても陥りやすい「七つの罪」を深く理解し、制作現場でチェックすることが不可欠です。
※TerraChoice Environmental Marketing Inc.による「The Seven Sins of Greenwashing」レポート2010年版
1. 罪その一 隠されたトレードオフ
これは、製品のある特定の部分だけを環境にやさしいと強調し、全体としての環境負荷を意図せず隠してしまう行為です。
たとえば、「リサイクル素材100%の紙製カップ」と大きく謳いながら、そのリサイクル素材の製造プロセスや、カップを輸送する際のCO₂排出量が、通常素材の製品よりも遥かに高い負荷をかけている場合などが該当します。
消費者は「リサイクル紙だからエコだ」と判断しますが、製造から廃棄に至るライフサイクル全体で見ると、必ずしも環境に優しいとは言えないトレードオフが存在するのです。
この罪を避けるためには、「部分的な事実」を誇張するのではなく、「全体的な真実」を見せる必要があります。広告では、「製造時のCO₂排出量は〇〇%削減した」といった特定の削減努力に絞って訴求し、総合的な環境評価(LCA: ライフサイクルアセスメント)に基づいた根拠を示す必要があります。
2. 罪その二 証拠不十分
これは、環境への主張を裏付ける根拠や証明を、消費者が容易にアクセスできる形で提示していない状態です。
たとえば、「世界で最もCO₂排出量が少ない自社調べの製品」といった、曖昧な比較や、社内基準に基づいた証明を前面に出す場合です。
多くの消費者は、提示された環境マークや数値を鵜呑みにする傾向がありますが、専門家や熱心な消費者は、その根拠となる試験データや第三者認証を求めます。
この罪を避けるためには、広告表現を行う際には、「誰でも確認できる場所」(Webサイトの特設ページなど)に、「誰が、どのような方法で、どのような基準に基づいて」その数値や主張を算出したのかを明記しておくことが絶対条件です。特に「自社調べ」と記載する場合は、その調査方法の客観性を詳細に説明できる準備が必要です。
3. 罪その三 曖昧さ
これは、「地球にやさしい」「エコ」「クリーン」「天然由来」といった、意味が広く、具体性のない言葉を使うことです。
これらの言葉は、響きが良く、受け入れられやすいという利点がありますが、何をもって「エコ」なのかが不明確であるため、消費者に都合の良い解釈をさせてしまうリスクがあります。消費者庁が景品表示法違反の可能性を指摘するのも、この「曖昧さ」による優良誤認のリスクが高いためです。
広告では、曖昧な形容詞を使う代わりに、「水の使用量を〇〇%削減」「プラスチックの使用量を〇〇グラム減らしました」といった、具体的な行動量や数値に置き換える努力が必要です。特に「天然由来」という言葉は、「水の量も天然由来とカウントしているのか?」といった論争を招きやすいため、「植物由来の成分が〇〇%」といった具体的な構成比で示す必要があります。
4. 罪その四 無関連性
これは、環境問題とはまったく関係のない、あるいは当たり前の事実を、あたかも特別な環境貢献であるかのように訴求する行為です。
たとえば、「当社のスプレー製品は、法律で禁止されているフロンガスを使用していません」といった主張です。フロンガスの使用はすでに法律で禁止されているため、これはすべての競合製品にも当てはまる、当たり前の事実に過ぎません。これを大々的に環境貢献として訴求することは、消費者に特別な企業努力があると誤認させる行為となります。
この罪を避けるためには、広告では「社会や法律の標準的な基準よりも、自社がどれだけ進んだ取り組みをしているか」という、相対的な優位性を訴求することが重要です。「当社は法規制をクリアするだけでなく、さらに一歩進んだ〇〇という取り組みを行っている」といった形で、真の企業努力を示す必要があります。
5. 罪その五 より少ない悪
これは、製品カテゴリ自体が本質的に環境負荷が高いにもかかわらず、「競合製品よりもマシである」という点を強調することです。
たとえば、環境負荷の高い特定の輸送手段を提供する企業が、「当社は競合他社よりも燃費効率の良いエンジンを使用している」と訴求する場合です。製品カテゴリ自体の負荷が高い場合、その中の小さな改善点を誇張することは、「この選択肢を選べば環境への責任を果たせる」という誤った安心感を消費者に与えます。
この罪を避けるためには、「よりマシである」という比較ではなく、「全体としての負荷をどう低減し、最終的にどういう社会を目指しているのか」という、具体的な長期ビジョンに焦点を当てる必要があります。企業は、業界全体の課題にどう貢献しているかを語るべきです。
6. 罪その六 嘘
これは、環境に関する主張そのものが、科学的、あるいは事実として虚偽である場合です。
たとえば、第三者認証を受けていないにもかかわらず、自社で勝手に「エコマーク認証」のようなマークを作成し、表示する行為です。これは、グリーンウォッシングの中でも最も悪質な形態であり、景品表示法や不正競争防止法など、複数の法律に抵触する重大なリスクを伴います。
この罪を犯さないためには、広告に使用するすべての認証マークや数値について、原典となる証明書や公的文書の、法務部門による厳密なチェック体制が必要です
7. 罪その七 証明不可能性
これは、主張している内容が、科学的に検証不可能な場合です。
たとえば、「地球の波動を整える天然成分配合」といった、科学的な因果関係が証明できない抽象的な主張です。消費者の感情に訴える意図があっても、環境訴求である以上、科学的な合理性が求められます。
この罪を避けるためには、広告表現に用いるすべての環境用語や成分について、科学的な専門家による検証を経ることが不可欠です。特に、代替医療や未科学的な領域の言葉を環境訴求に持ち込む際は、法的な根拠を持って立証できるかを事前に確認する必要があります。
法的リスクと景表法

グリーンウォッシング対策は、もはや倫理的な話ではなく、経営を脅かす法的リスクとなっています。特に、日本の景品表示法と、世界のトレンドをリードするEUの規制動向を理解しておくことは、広告制作の現場にとって必須の知識です。
1. 日本の景品表示法と「合理的根拠」の証明責任
日本におけるグリーンウォッシングの主な法的リスクは、景品表示法(景表法)によるものです。景表法が禁止する優良誤認表示とは、商品・サービスの品質や内容について、実際よりも著しく優良であると消費者に誤認させる表示を指します。
環境訴求において、この優良誤認と判断されるリスクが非常に高い理由は、「環境負荷の低さ」が「商品の優良性」に直結すると消費者が考えるためです。
消費者庁は、環境表示に関するガイドラインで、企業に対して「表示の裏付けとなる合理的根拠」の提出を求めています。この「合理的根拠」とは、表示された内容を裏付ける客観的資料であり、たとえば「CO₂を20%削減」と主張するならば、その削減量を計算したLCA評価書や第三者機関の監査報告書が求められます。
根拠がない場合や、根拠が不十分と判断された場合、消費者庁は措置命令(表示の是正命令)や課徴金納付命令を出します。特に課徴金制度は、売上額の3%という高額な制裁金が課されるため、企業の財務に甚大な影響を及ぼします。広告代理店は、この課徴金リスクをクライアントと共有し、根拠の明確化を強力に推進する責任があるのです。
※景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法) 第5条(優良誤認表示)、および消費者庁による「環境表示ガイドライン」
2. EU消費者保護指令とグローバルな環境広告規制の強化
EUでは、グリーンウォッシングに対する規制が急速に強化されています。2024年2月に採択され、同年3月に施行された消費者保護指令(正式名称:グリーントランジションのための消費者エンパワーメント指令、Directive 2024/825)は、世界的に最も厳格な環境広告規制の一つです。この指令は、加盟国が2026年3月27日までに国内法へ反映し、同年9月27日から適用が開始されます。
この指令が企業に求める主な義務は、曖昧な環境訴求の禁止と透明性の確保です。
具体的には、「環境にやさしい」「グリーン」「エコ」といった一般的な環境訴求は、EU環境ラベルなどの公的認証によって優れた環境性能が証明されない限り、使用が禁止されます。
また、製品の一部分のみが環境配慮されている場合に、製品全体や企業全体が環境配慮されているかのように訴求することも禁止されています。
さらに、将来の環境目標を訴求する場合には、測定可能で検証可能な目標と第三者による検証を伴う実施計画の提示が義務付けられました。
なお、EUでは当初、より詳細な環境訴求規制を定めるグリーンクレーム指令(Green Claims Directive)の制定が進められていましたが、2025年6月時点で立法プロセスが中断されています。しかし、既に施行された消費者保護指令によって、グリーンウォッシングに対する厳格な規制の枠組みは確立されています。
これらの規制は、EU域内での広告に適用されますが、日本企業がEU市場に製品を輸出する際や、ウェブサイトがEUの消費者を対象とする場合には、適用対象となります。この規制の波は、日本企業の環境コミュニケーションを、国内基準だけでなくグローバルな誠実さの基準へと引き上げることを求めているのです。特に、サプライチェーン全体での人権問題や環境負荷の開示を求める動きとも連動しており、広告表現の裏付けは、調達から製造、廃棄に至る全過程の透明性まで求められるようになっています。
3. 競争法とグリーンウォッシング
グリーンウォッシングは、景表法だけでなく、不正競争防止法や独占禁止法といった競争法にも抵触するリスクを孕んでいます。
環境配慮を装うことで、実際には環境負荷の高い製品を、消費者に不当に優位な選択肢として選ばせてしまう行為は、公正な競争を阻害する可能性があります。競合他社が誠実な環境努力をしているにもかかわらず、グリーンウォッシングによって不当な競争上の優位を得た場合、競合他社からの訴訟リスクも高まります。
このため、環境訴求を行う際には、自社と競合他社の製品を比較する広告表現について、その比較基準が客観的かつ公正であるかを、競争法専門の弁護士と連携してチェックすることが、企業の法的防衛ラインとなっています。
信頼構築のための制作現場の実践戦略
グリーンウォッシングを避け、誠実な広告でブランドを守るためには、企画段階から制作までの全工程にわたって、「誠実さのチェック」を組み込むことが欠かせません。誠実なコミュニケーションは、企業の法的リスクを回避するだけでなく、顧客との長期的な信頼を築く最強の資産となります。
1. 企画段階 誇張を避ける「根拠の確保」と「課題の明示」
最も重要なのは、「誇張しないこと」よりも「誠実に積み重ねること」です。
環境への取り組みを訴求する企画を立ち上げる際、最初に、「その主張の裏付けとなる科学的、あるいは客観的なデータが存在するか」を、制作担当者ではなくクライアント側の専門部署や第三者検証機関と徹底的に確認します。根拠のない抽象的な言葉は、すべて具体的な数値、パーセンテージ、削減量に置き換える作業を行います。
さらに、「できている部分」だけでなく、「これからの課題」も明確に伝える「課題の明示」を行うことが、現代の誠実さの基準です。完璧ではないことを正直に認め、「全体のリサイクル率向上は〇年後の目標だが、まずこの製品では〇〇%達成した」といった、正直なプロセスを伝えることが、逆に消費者からの共感と信頼を生みます。
また、「何が最も環境に貢献しているか」というマテリアリティ(重要課題)に基づいた優先順位付けも必要です。企業活動における小さな取り組み(たとえば:社内ペーパーレス)を、大きな環境貢献(たとえば:製造時のCO₂排出量)よりも誇張して訴求することは、無関連性の罪に問われやすいため、貢献度に応じた訴求の強さを設定すべきです。
2. 制作段階 言葉とビジュアルの「整合性のチェック」
制作現場では、言葉とビジュアルの整合性を厳しくチェックします。
コピーライターは、使用するすべての形容詞や環境用語について、「その言葉が、消費者にとって何を意味するか」という解釈の幅を最小限に抑えるよう、具体的な定義を添えます。たとえば、「サステナブルな素材」ではなく、「国際認証FSCを取得した木材を使用」といった具体的な表現に置き換えます。また、断定を避ける表現を安易に使うのではなく、断定できる事実に焦点を当てて表現を構築する必要があります。
デザイナーは、デザインや色彩による“演出型のグリーンウォッシング”に陥らないよう注意します。緑色の配色、葉っぱや地球のイラストが、根拠のない雰囲気づくりに終わっていないかを検証します。ビジュアルが自然や環境を想起させるものであるならば、「実際にこの工場では植林活動を行っています」など、背景の根拠をコピーや説明で補強できるかを確認し、ビジュアルとメッセージが乖離していないかを常に確認する必要があります。
3. 広告代理店の役割:「誠実さのファシリテーター」としての責任
広告代理店は、単に「表現を良くする」だけでなく、「誠実さのファシリテーター」としての役割を担う必要があります。これは、クライアントの環境部門や法務部門と制作部門との間に立ち、科学的な真実と伝わる表現のギャップを埋める作業です。
私たちが制作の現場で感じるのは、誠実さの基準が「華やかさ」から「具体性」に変わったということです。「見せ方」ではなく「伝わり方」を整えること。そのためには、企画段階から制作まで、「根拠をどこまで見せるか」という議論を、クライアントと一緒に行うことが欠かせません。
正直な広告は、環境を守るだけでなく、企業の信頼を守ります。そして、その信頼が社会を少しずつ進めます。「やさしい」という言葉を「正直」という言葉に変えること。それが、これからの時代の広告表現なのです。
4. サードパーティ・エンゲージメントによる信頼性の向上
グリーンウォッシングを徹底的に回避し、信頼性を最大化する戦略として、サードパーティ・エンゲージメント(第三者関与)の積極的な活用が挙げられます。
具体的には、広告表現の裏付けとなるデータや報告書を、国際的な監査法人や認証機関に依頼し、検証(アシュアランス)を受けることです。この検証済みのデータを広告に引用することで、「証拠不十分の罪」や「嘘の罪」に対する強力な防波堤となります。
さらに、環境NGOや専門家とパートナーシップを結び、その協力者として広告に登場してもらうことも有効です。これは、企業が中立的かつ厳しい視点を自ら取り入れていることを示し、消費者や投資家に対して透明性をアピールすることができます。「この取り組みは、〇〇NGOと共同で行っています」といった表現は、企業単体の主張よりも遥かに高い信頼性を持ちます。
5. 「言い訳の余地」をなくすリスクマネジメント
リスクマネジメントの観点から、すべての広告表現について「言い訳の余地」をなくす作業が求められます。これは、「もしこの主張が誤解されたら、どの法律に抵触し、どのような証拠で反論するか」という、最悪のシナリオを想定した法務部門との共同作業です。
特に、Webサイトや製品パッケージなど、「消費者がいつでもアクセスできる場所」には、広告で訴求した環境主張に関する詳細なデータ、検証報告書、定義をすべて掲載し、透明性のハブを構築する必要があります。広告は「導入」であり、ウェブサイトが「結論」であるという役割分担を徹底します。
この徹底的なリスクマネジメントこそが、現代の広告制作におけるプロフェッショナルな誠実さの証であり、企業とブランドの未来を守るための唯一の方法なのです。
信頼こそが最強のブランド資産
グリーンウォッシングを避ける最善の方法は、「誇張しないこと」よりも「誠実に積み重ねること」です。
広告は「今」を伝えるものですが、ブランドの信頼は「時間」の中で生まれます。一度でも誤解を与える表現をしてしまうと、その修復には何倍もの時間とコストがかかります。逆に、地味でも正直な発信を続けている企業は、いざというときに「本当に信頼できる」と見られます。
私たちは、広告の目的を「よく見せること」ではなく、「本当をわかりやすく、誠実に伝えること」だと考えています。
もしあなたの会社が、環境への取り組みをどう伝えたらいいかわからない、正しい言葉を選びたいけれど、法的リスクが怖い、グローバル基準に合わせた誠実なコミュニケーションを構築したいと感じているなら、私たちがそのサポートをします。
環境への取り組みをどう表現すればいいか、どこまで伝えれば誤解されないか――迷ったときは、お問い合わせフォームからどうぞ気軽にご相談ください。あなたの思いを、誤解されない”正直な言葉”に変えるお手伝いをさせていただきます。





