2026年7月15日

マーケティング

採用で差がつく3つの視点 応募前に見られる会社の伝え方

 

求人を出しても応募が集まらない、応募はあっても面接につながらない、内定を出しても承諾されない。採用に関わる人なら、どれかひとつは心当たりがあるのではないでしょうか。

こうした差は、給与や福利厚生、会社の知名度だけで決まるわけではありません。候補者から会社がどう見えているか、求人を見たあとにどんな情報へたどり着くか、自社の良さを分かる言葉にできているか。こうした「伝え方」の積み重ねが、結果を大きく左右します。

実際、求職者は求人票だけを見て応募しているわけではありません。エン・ジャパンが転職活動者に行った調査では、企業研究の情報源として最も多かったのが「企業ホームページを確認する」で八十八・七パーセント、次いで口コミサイトが七十一パーセント、企業サイト内の採用ページが七十・四パーセントでした。約九割が会社のホームページを見て、約七割が採用ページまで確認しているということです。求人票はあくまで入口で、その先で会社の印象が固まっていく様子がうかがえます。

ここでは、採用できる会社とできない会社の差がどこから生まれるのかを、候補者からの見え方、求人を出したあとの接点、自社の魅力の言葉にしかたという三つの視点から掘りさげていきます。

 

候補者からの見え方に差が出る

採用では、求人票に書く条件だけでなく、候補者が応募前に受け取る会社の印象も結果を左右します。まずは、会社が候補者の目にどう映っているかを整理します。

条件だけでは「働く理由」までは伝わらない

給与、休日、勤務地、勤務時間、福利厚生といった条件は、応募先を考えるうえで欠かせない情報です。条件が合わなければ候補に入りにくくなるので、求人票に正確に書くことは前提になります。ただ、条件だけで会社の魅力を伝えきるのは難しいのも確かです。

条件は比べやすい情報です。給与がいくらか、休日が何日あるか、勤務地がどこか。どれも分かりやすい判断材料になります。一方で、条件だけを見ても、その会社で働く毎日までは想像しにくいものです。候補者が本当に知りたいのは、この会社に入ったらどう働くことになるのか、という具体的な姿のほうです。

たとえば「営業職」とだけ書かれていても、仕事の中身は十分に伝わりません。法人向けか個人向けか、新規開拓が中心か既存のお客様への提案が多いか、外回りが多いか社内調整も多いか。そこまで書かれていると、働くイメージはかなり変わります。条件を整えることに加えて、なぜこの会社で働くのか、どんな経験ができるのか、どんな人に向いているのかを伝える。候補者が自分に重ねて考えられる情報があると、求人票は単なる募集条件ではなく、会社を知る入口になります。

候補者は応募前にかならず会社を調べている

先ほどの調査が示すとおり、求職者の多くは応募前に会社名を検索し、企業サイトや採用サイト、口コミを確認しています。エン・ジャパンの調査では、ホームページを見る理由として「会社が自社の言葉で語っている媒体だから」「社長メッセージや企業理念から自分とのマッチングを測りたいから」といった声が挙がっていました。

ここに、見落としやすい落とし穴があります。求人票では魅力的に見えても、企業サイトの情報が古い、採用ページに詳しい説明がない、働く人の姿が見えないとなると、それ自体が応募をためらう理由になりかねません。同じ調査でも、中小企業では「企業サイトが顧客向けに作られていて採用候補者向けの情報がない」「採用ページはあるが更新されていない」という指摘が出ています。逆に、求人票で知った内容と企業サイトや採用サイトの情報がつながっていれば、候補者は安心して次の段階へ進みやすくなります。

会社の見え方は文章だけで決まるものではありません。写真、社員紹介、代表メッセージ、事業紹介、職場の雰囲気など、複数の情報が合わさって印象をつくります。大切なのは、候補者が応募前にどのページを見るかを想定して、そこに十分な情報を置いておくことです。会社が伝えたいことだけでなく、候補者が知りたいことを用意できているかどうかで、見え方には確かな差が出ます。

 

求人を出したあとの接点に差が出る

求人広告は候補者と出会うための大切な入口です。ただ、採用は掲載して終わりではありません。応募の前後にあるいくつもの接点が、候補者の判断を動かしていきます。

求人広告だけでは採用は完結しない

求人広告は会社を知ってもらう重要な手段ですが、それだけですべてを伝えきることはできません。候補者は求人を見たあとに会社をさらに調べ、そこで十分な情報が見つからなければ、応募の前に離れてしまうことがあります。

たとえば「未経験歓迎」と書いてあっても、どう仕事を覚えていくのかが分からなければ不安は残ります。研修があるのか、先輩が同行するのか、どのくらいで一人立ちするのか。こうした情報があると、入社後の流れを思い描きやすくなります。「若手が活躍」も同じで、どんな仕事を任され、入社何年目でどんな役割を担っているのかまで伝えると、言葉に具体性が出ます。良い面だけを並べるより、大変な点も正直に書かれているほうが、候補者は誠実な会社だと受け取りやすくなります。

採用の目的は応募数を増やすことだけではありません。自社に合う人と出会い、入社後のミスマッチを減らすことも同じくらい大切です。求人広告を入口にしながら、候補者が知りたい情報へ自然につながる流れをつくることが、結果的に良い採用につながります。

採用サイト・SNS・面接対応をひとつの流れで考える

候補者との接点は求人広告だけではありません。採用サイト、企業サイト、SNS、会社説明会、メール対応、面接。選考に進むまでの間に、いくつもの接点があります。これらがばらばらだと、候補者は会社の印象をつかみにくくなります。求人広告は明るいのに採用サイトは情報が薄い、面接の説明があいまい、連絡が遅い。こうしたことが重なると、気持ちは離れていきます。

反対に、それぞれがつながっていると、候補者は理解を深めながら選考に進めます。求人広告で興味を持ち、採用サイトで仕事内容を知り、面接で働く人の雰囲気を感じる。この流れがあると、入社後の姿を想像しやすくなります。媒体ごとに役割を分けるのも有効です。求人広告では募集内容と応募する理由を、採用サイトでは仕事の詳細や社員の声や入社後の流れを、SNSでは日常の雰囲気を、面接では候補者の疑問や不安への答えを。役割を整理すると、伝える内容も重なりにくくなります。

面接対応も大きな判断材料です。マイナビキャリアリサーチLabの調査では、入社先を決めた理由として「企業の社員の雰囲気や人柄が自分に合っていると感じた」を挙げた学生が約四割にのぼりました。面接は会社が候補者を見る場であると同時に、候補者が会社を見る場でもあります。説明が分かりやすいか、質問しやすい空気があるか、面接官の言葉に一貫性があるか。こうした点が入社意欲に関わってきます。採用を一連の流れとしてとらえると、応募が少ないのか、面接辞退が多いのか、内定承諾につながりにくいのか、課題の場所が見えやすくなります。

 

自社の魅力を言葉にできているかで差が出る

会社の良さは、社内では当たり前になっていて気づきにくいものです。候補者に届けるには、その良さをいちど具体的な言葉に置きかえる必要があります。

ありきたりな言葉では会社の良さは伝わりにくい

採用情報では「アットホームな職場です」「やりがいのある仕事です」「成長できる環境です」といった表現がよく使われます。言葉そのものが悪いわけではありませんが、そのままでは他社との違いが伝わりません。候補者が知りたいのは、その言葉の中身だからです。

アットホームとは、どんな場面でそう感じられるのか。先輩に相談しやすいのか、部署を越えて声をかけ合うのか、入りたての人を支える仕組みがあるのか。やりがいなら、誰の役に立つ仕事で、成果がどう見え、お客様からどんな言葉をもらうのか。成長できる環境なら、どんな仕事を通じてどんな力が身につくのか。具体的な場面があると、候補者は職場や自分の将来を思い描けます。

その手がかりは、社内の当たり前を見直すところにあります。社員はどんな理由で入社したのか、続けている理由は何か、お客様に評価されている点はどこか、若手や中途入社者が安心した場面は何か。こうした声を集めると、外からは見えにくい魅力が浮かんできます。採用メッセージは、きれいな言葉を並べることではありません。会社の実態を、候補者に分かる言葉へ置きかえることです。

地域での認知も応募前の安心感につながる

採用では、求人媒体や採用サイトだけでなく、地域での会社の見え方も無視できません。とくに地元での採用では、会社名を見たときに「聞いたことがある」「見たことがある」と感じられることが、応募前の安心感につながります。まったく知らない会社の求人を見るより、街なかや駅、地域の施設、交通広告や屋外広告で接点があるほうが、会社を身近に感じやすくなります。知名度の高い大企業でなくても、地域で繰り返し目にする機会があれば記憶に残りやすくなります。

先に触れたとおり、求職者の約九割が応募前に企業ホームページを確認しています。会社名を知ってもらい、求人で興味を持ってもらい、サイトで理解を深めてもらう。この流れがそろうと、応募前の不安は少しずつ小さくなっていきます。地域での認知づくりは、通勤や通学の途中で目にする会社、地元で事業をしていると伝わっている会社への心理的な距離を縮めます。採用したい人が普段どんな場所を通るのかを考えると、接点のつくりかたも変わってきます。駅、バス、商業施設、学校周辺、オフィス街。候補者が日常のなかで会社に触れる機会を整理しておくと、求人媒体だけに頼らない採用の土台ができます。

 

まとめ

採用できる会社とできない会社の差は、目立つ求人を出しているかどうかだけではありません。候補者からどう見えているか。応募前後の接点が整っているか。自社の魅力を具体的に伝えられているか。求職者の約九割が応募前に会社を調べ、入社の決め手として業務内容や社員の雰囲気を挙げているという事実は、求人票の外側にこそ差が生まれることを示しています。

採用に課題を感じているなら、求人票の中身だけでなく、候補者が会社を知ってから応募し、面接を受けるまでの流れ全体を見直すことが近道です。会社の魅力は、伝え方を整えることで確かに届きやすくなります。

求人広告だけでなく、採用サイトや交通広告、屋外広告を組み合わせた地域での認知づくりまで含めて採用を考えたいとお感じでしたら、ぜひお気軽にご相談ください。お問い合わせフォームから、いまの採用のお悩みをお聞かせいただければと思います。

 

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