2026年1月13日

マーケティング

たまごってかわいいの?  ― 丸いデザインはなぜ広告に強いのか ―

 

たまごを見ていて、ふと「なんとなくかわいい」と感じたことがある人は多いと思います。白くて丸みがあり、手のひらにすっと収まって、落とせば割れそうな頼りなさがある。特に意識して観察するようなものではないのに、じっと見るとどこか親しみが湧いてくる。
この小さな感情の動きには、心理学や感性工学の研究で説明されている要素がいくつも含まれています。広告やデザインを考えるとき、こうした小さな“違和感”に目を向けることが大きなヒントになることがあります。

このコラムでは、たまごという身近な存在を通して、かわいいという感情がどのように生まれるのかを心理学の知見から整理し、色や形、質感が人の気持ちにどう作用するのかを考えます。
そのうえで、広告表現においてかわいさがどのように役立つのか、特に交通広告やスマホ広告での活用のポイントまで紹介します。

 

たまごはなぜかわいいの?

たまごをかわいいと感じる理由を一つずつ見ていくと、まず形の持つ印象の力があります。
丸みのある形は、角張った形と比べて人に安心感や親しみを与えやすいと言われています。たまごはまさにその「丸くて角がない形」の代表例です。 さらに、色や質感も見逃せません。白や淡い色は柔らかさや清潔さを連想しやすく、光が当たったときにわずかに艶が出る殻の質感もやさしい印象を作り出します。
こうした視覚情報が組み合わさることで、単なる食材ではなく、どこか身近で大切にしたくなるような感覚が生まれます。

もうひとつ大きいのが、大きさと弱さです。手のひらに収まる大きさで、少し力を加えれば割れてしまうという“弱さ”は、人に「守りたい」という気持ちを引き起こします。心理学では、幼いものに共通する特徴をベビースキーマと呼び、人間が本能的に保護行動を促される要因とされています。
たまごに顔はありませんが、この「弱さ」や「壊れやすさ」はベビースキーマの一部と同じ構造を持っていて、自然と注意を向けてしまう理由にもなります。

つまり、たまごをかわいいと感じる背景には、形、色、質感、弱さといった複数の要素がまとまって作用しているということです。見た目のやさしさと扱いの注意深さが、たまごを見る目に特別なニュアンスを加えているとも言えます。広告は人の注意や気分の変化を扱う仕事なので、こうした感情の小さな動きは、ただの雑学ではなく、使い方によっては非常に大きな意味を持つ素材になります。

 

かわいいという感情

たまごの丸さや弱さに触れたときに生まれる「かわいい」という感情は、どんな仕組みで起きているのでしょうか。可愛いという言葉は日常的すぎて、改めて考える機会はめったにありませんが、心理学の分野では「かわいい」は明確に研究対象になっています。
特に、日本では“カワイイ文化”の広がりもあって、感情としてのかわいさを整理する研究が進んでいます。

かわいいは、好きや嬉しいとは少し違う種類の感情とされています。広島大学大学院総合科学研究科の行動科学講座が発表した研究では、かわいいと感じたとき人は注意が高まり、細かい作業が丁寧になることが示されています。これは「The Power of Kawaii」という実験としても紹介されており、かわいいものを見ると無意識のうちに慎重さや配慮が必要なモードに自然と切り替わるという結果が出ています。
例えば、子犬や子猫などの写真を見たあと、被験者の指先を使った作業の正確性が向上するという報告があり、「かわいい」はただ気分が良くなるだけではなく、行動の質にまで影響する感情だという位置付けになっています。

この研究の背景には、かわいいという感情が「対象を大切に扱いたい」「もっとよく見たい」といった気持ちと結びついているという考えがあります。つまり、かわいい対象は、私たちの注意や行動をやさしい方向に誘導する力を持っているということです。だからこそ、誰かに怒りながら「かわいい」とは言いませんし、緊張しているときに「かわいい」という言葉はほとんど使われません。かわいいは、安心や親しみと非常に近い場所にあり、心の緊張を和らげ、対象との距離を縮める働きを持っています。

もうひとつ重要なのは、かわいいが「対象の属性」ではなく「感情として生じるもの」と説明されている点です。対象がかわいいのではなく、その対象に接したときに生じる私たちの感情が“かわいい”なのだという整理です。
これは、対象が人間や動物に限られない理由でもあります。たまごのように顔のないものでも、形や質感、弱さの組み合わせが、かわいさを生む条件と一致していれば、同じように“かわいい”と感じられるわけです。

こうした心理的仕組みを踏まえると、たまごがかわいいと感じられる理由がより明確になります。丸い形で攻撃性を感じさせず、サイズが小さく扱いに注意が必要で、淡い色ややさしい質感を持っている。これはすべて、かわいいと感じるための条件に合致しています。たまごがかわいいという感情は、偶然ではなく、私たちの心の働きに沿った自然な反応なのです。

この感情の構造を理解すると、広告における「かわいさ」の扱い方も変わってきます。かわいいものはただ“見た目がかわいい”だけでなく、人の注意を引きつけ、その後の印象や行動にも影響を与えます。
広告やデザインの中でかわいさをどう扱うかは、単なるデザインの好みではなく、感情の動きをどう設計するかという話になります。

 

かわいさを生む形と質感

かわいいという感情が、たまごのような無機物にも自然に生まれる理由には、形や質感が大きく関わっています。人は日常的にものの形を見てはいますが、その形が自分にどんな感情を引き起こしているかは意識していないことがほとんどです。しかし、研究では形そのものが感情に影響していることが確かめられています。

まず大きいのは丸さです。
丸い形は、人に安心感や親しみを与えやすいとされています。これは感性工学やデザイン心理の研究で繰り返し示されている傾向で、丸みのある形状は快い、柔らかい、親しみやすいと評価され、角ばった形状は緊張、硬い、威圧的と評価されやすいことが知られています。

丸い形が好まれやすい理由のひとつは、脳が処理しやすいからだと言われています。鋭角や複雑な形は、脳にとっては警戒すべき対象とみなされやすく、丸みのある形は攻撃性や危険の兆候を感じさせません。そのため、自然とリラックスした状態で向き合える対象になると考えられています。人が幼い動物や子どもの顔にかわいさを感じるのも、目や頬の形が丸く、全体が柔らかくまとまっているためです。この「丸さ→安心→かわいい」という流れは、デザインにおいても実際によく利用されています。

次に弱さです。ものが壊れやすい、傷つきやすいという印象は、自然と保護したくなる感情を引き起こします。先ほど触れたベビースキーマの理論でも、保護行動を促す要素として「弱さ」は重要な位置にあります。
たまごは、力を入れればすぐ割れてしまうという特徴があるため、扱うときには注意が必要です。この「注意が必要なものに対して慎重になる」という感覚が、そのまま「かわいい」と感じる感情への入り口になっています。心理学の実験でも、弱さや壊れやすさを感じさせる対象は、そうでないものに比べて「守りたい」「大切に扱いたい」という感情が強く喚起されるとされています。

色や質感も重要な役割を果たします。淡い色は刺激が少なく、緊張を高めにくい効果があります。白や淡いクリーム色の殻は、落ち着いた気分を生み、優しい印象を作るのに適しています。光が当たったときにできるわずかな反射や艶感も、「清潔」「新しさ」「柔らかさ」といった好意的なイメージを後押しします。質感がザラザラしていたり、濃くて硬い色を持つ対象よりも、滑らかで淡い色の対象の方が、人は自然と好ましい印象を持ちやすくなります。

形、弱さ、色、質感。これらは別々のもののように見えますが、どれも人の感情を動かす視覚情報という点で共通しています。そして、この四つが同時にそろっているものは、多くの場合“かわいい”と感じられやすい性質を持っています。
たまごはその典型であり、かわいさの構造を理解するための良い例になります。ただし、これは特別なたまごに限られるものではなく、丸いキャラクター、柔らかい色合いのパッケージ、ころんとした形の雑貨など、私たちの身の回りのさまざまなデザインにも当てはまります。

こうした感覚的な部分を言語化できると、広告やデザインにおいて「なぜかわいいと思わせたいのか」「かわいいと感じさせるためには何を使えばいいのか」が明確になります。

 

日本のカワイイ文化

かわいいという感情は世界中で存在していますが、日本ほど生活のあらゆる場面に浸透し、多様な意味を持つ言葉として育ってきた国はあまりありません。
カワイイ文化は、単に若い人たちの流行やサブカルチャーの範囲にとどまらず、広告や商品デザイン、自治体のキャラクターづくり、企業のブランディングなど、幅広い領域で重要な役割を果たしています。この背景には、日本における「かわいい」の独特な広がり方があります。

日本では、かわいいという言葉が褒め言葉として非常に強く機能します。海外で Cute が使われる場合、子どもや小さな動物に対して使われることが多いのに対し、日本語のかわいいは、ファッション、文具、建物、食品パッケージ、さらには日常会話でのちょっとした言い換えにまで広く使われます。
例えば、少し怖いものを「キモかわいい」と表現してネガティブな印象を和らげたり、特に好きではないものに対しても「かわいいですね」と言うことで場の空気を和らげたりする使い方があります。かわいいという言葉が、本来持っている「肯定的な評価」を保ちながら、緊張をほぐすための緩衝材のように働くことが少なくありません。

また、地域のPRキャラクターや企業マスコットが丸みのある形でデザインされることが多いのも、日本的なかわいさの特徴です。丸い形は親しみを引き出しやすいという研究の傾向とも一致していますが、日本の場合はそれが文化の中に深く根付いています。
例えば、ゆるキャラと呼ばれる地方自治体のキャラクターは、そのほとんどが丸みを帯びた体型や表情を持っています。これは「かわいく見せる」という目的だけではなく、地域や公共サービスに対して好意的な印象を持ってもらうための工夫としても機能しています。

さらに、日本ではかわいいという言葉が、必ずしも「幼く見える」ものに限定されず、大人向けの商品にも使われることが一般的です。大人の女性向けの化粧品パッケージが丸みのある形状だったり、淡い色合いで作られているのは、かわいらしさを前面に押し出しているというよりも、「やわらかく親しみやすい」というイメージを通じて、購買行動にポジティブな影響を与えるためのデザインとして採用されていることが多いからです。
かわいいは、購入やブランド好感度を高めるための言語的・視覚的なツールとしても使われています。

日本のカワイイ文化は、単純に「幼く見えるものが好き」という話にとどまりません。むしろ、かわいいという言葉が持つ意味の幅広さや包容力が、広告やブランディングにおいて非常に強力な武器になっています。かわいさは、人を警戒させず、安心させ、距離を近づける力を持っています。だからこそ、企業や自治体はその力を活かしてコミュニケーションを設計し、広告の中でも「かわいい」という感情を意図的に使う流れが強まっています。

たまごのかわいさから始まった話は、ここで文化としてのかわいさへとつながってきました。かわいいには、人の警戒心をやわらげ、対象への好意を生む力があります。この文化的背景を押さえておくと、次に扱う広告表現において「かわいさをどう扱うか」がより明確になります。

 

広告とかわいさ

かわいいという感情の仕組みや、日本ではどのように受け止められているのかを確認してきましたが、ここからは広告に視点を移します。
広告の世界では、かわいさは単なる見た目の飾りではなく、視線を引きつけ、印象をやわらげ、ブランドへの距離を縮めるための「機能」として扱われています。たとえば、ポスターの前を歩きながら「なんとなく目に入ってしまう」経験は誰にでもありますが、その理由の一つに形の持つ心理的効果があります。丸い形や柔らかい色、優しい質感は、人の注意を受け取りやすい条件を満たしているためです。

広告では、見た人の視線をどう誘導するかが重要なテーマになります。駅構内のポスターでも、SNSのタイムラインに流れてくる広告でも、一瞬で判断されることがほとんどです。そのとき、形や色は文字よりも早く認識されます。
感性工学やデザイン心理の研究が示すように、丸みのある形は心地よさや親しみと結びつきやすく、角ばった形は緊張や威圧を連想させやすいという傾向があります。これは視線の動きにも影響し、やわらかい印象をもつデザインは、硬い印象のものに比べて自然と受け入れられやすい状態をつくります。

広告における『かわいさ』は、視線を止めやすいという特性があります。
広島大学の研究で「かわいいものを見ると、注意が高まり、行動が慎重になりやすい」という実験結果が示されましたが、これは広告にも応用できます。かわいさを感じる瞬間は、ものをじっくり見ようとする姿勢が生まれやすく、その一瞬の“間”が広告にとって重要です。広告は「見てもらう」ことが出発点なので、視線が止まる確率が少しでも上がる要素は大きな意味を持ちます。

さらに、コピーにおいてもかわいさは機能します。疑問形の表現は、読み手に「自分ごと」として受け取らせる力があります。例えば、「たまごってかわいいの?」という言葉には、かわいさを押しつける強さがありません。問いかけというかたちで、読み手の思考をやわらかく誘導します。
広告コピーでは、あえて断定せず、問いかけや余白を残すことで、読み手に考えるきっかけを与える手法があります。これは圧力がない分、心の中で自然と答えを探してしまうという心理的な動きによるものです。

かわいさは広告を子ども向けにするという意味ではありません。むしろ、かわいさを意図的に組み込むことで、大人向けの商品やサービスに対しても、優しさや安心感を持ってもらえる可能性が高まります。
かわいさがもたらす柔らかいイメージは、ブランドやサービスへの印象をやわらげ、親しみのある印象をつくりやすくします。尖ったデザインや、強いキャッチコピーが適さない商材でも、かわいさを手がかりにして伝え方を調整することができます。

こうして見ていくと、かわいさは単なる“好み”ではなく、人の心理に働きかける具体的な要素であり、広告表現にとって重要な武器になり得ることがわかります。

 

交通広告とスマホ広告

広告が掲出される場所や媒体が変わると、同じデザインでも受け取られ方は大きく変わります。
特に交通広告とスマホ広告は、見られる状況が大きく異なるため、それぞれに合った「視線を止める工夫」が必要になります。かわいさの要素は、どちらの環境でも有効に働く部分があり、その理由を理解するとデザインの幅が一気に広がります。

交通広告は、駅構内や電車内、ホームの柱ラッピングなど、とにかく「歩きながら」「移動しながら」見る機会が多いのが特徴です。人は歩行中に、細かい情報まで丁寧に読む余裕はほとんどありません。このため、一瞬で視線を引きつけ、内容が理解できるデザインが求められます。
このとき、丸い形ややわらかい色調は効果を発揮します。丸さは視線の負担が少なく、親しみやすさを感じやすい形です。産業技術総合研究所の形状評価のデータでも、丸い形が心地よさや親しみに結びつきやすいという評価が示されており、混雑した視覚環境の中でもスムーズに目に入る要素として働きます。

交通広告には大型のポスターも多く、色の使い方も重要です。
淡い色や白をベースにしたデザインは、雑多な情報の中で逆に目立つことがあります。暗い背景や派手な広告が多い駅では、淡い色や余白の多い構成が視覚的な休憩ポイントとなり、自然と目が向く現象が起こります。たまごの色調が背景に埋もれず、むしろ浮かび上がって見えるのも同じ理由で、視覚的な“やさしさ”が、硬い情報が多い環境の中で強いコントラストを生むためです。

一方で、スマホ広告はまったく異なる条件の中で見られます。
ユーザーはほぼ無意識に画面をスクロールし、数秒どころか一秒に満たない速度で情報が流れていきます。この状況では、形や色は文字よりも先に処理されます。丸い形や淡い色が「なんとなく気になる」と感じさせるのは、形状が持つ心理的効果だけではなく、スマホという小さな画面において丸い形が視認しやすいという物理的な理由も含まれています。

丸い形は画面上で目を引きやすく、タップする動作とも相性が良いとされています。スマホのUIデザインも年々丸みを帯びてきましたが、その理由の一つは、丸い形の方が視認がしやすく、押すという行為に対する心理的抵抗が少ないためと説明されています。
色の印象もスマホ広告では大きく作用し、強すぎる色やコントラストは離脱率を高める可能性があります。反対に、淡い色調や柔らかい質感のデザインは、タイムラインの中でも自然に視線が止まりやすい傾向にあります。

また、スマホ広告では動画も多く、たまごのように“ころんとした形”がゆっくり転がる動きや、“ふわっと現れる”アニメーションは、短い時間で注意を引く効果があります。急激な動きや派手な演出が必ずしも良いとは限らず、優しい動きやリズムの方がタップに結びつくケースがあります。これは、かわいさが持つ「安心して見られる」印象と共通しています。

交通広告とスマホ広告は条件こそ異なりますが、どちらにも共通するポイントがあります。それは、丸い形ややわらかい色、ほどよい余白といった「かわいさにつながる視覚要素」は、視線を止めるための有効な手段になり得るという点です。
かわいさは子ども向けの要素ではありません。むしろ、大人が毎日触れている情報環境の中で、無意識に受け入れやすい“やさしさ”を持つデザインとして働きます。

こうして見ていくと、たまごが持つ丸さや弱さは、単にかわいいという感情に留まらず、異なる広告媒体においても機能しうる普遍的な視覚要素だということがわかります。

 

たまごから広告へ

たまごという身近な存在から始めたこの話は、かわいさという感情の仕組み、形や色や質感が人に与える印象、日本特有のかわいい文化、そして広告への応用へとつながってきました。
たまご自体に特別な意味があるわけではなく、丸さや弱さ、淡い色合いといった要素が、かわいいという感情につながる条件を満たしているという点が、今回の入り口として機能していました。たまごを例にすることで、かわいさの構造を具体的に理解しやすくなり、抽象的な話が急に身近に感じられるという効果があったと言えます。

かわいいという感情は、単に“かわいらしい見た目”を指す言葉ではありません。心理学や感性工学の研究では、かわいいものに接すると注意が高まり、慎重で丁寧な行動が引き出されることが示されています。
広島大学の研究では、かわいいものを見た直後に、指先を使った細かな作業が正確になるという結果が報告されています。この「注意深さ」が引き出されるという側面は、広告において非常に重要です。
広告はまず「見てもらう」ことから始まり、わずか一瞬で視線を奪えるかどうかが勝負です。かわいさが誘発する心理的な働きは、その勝負の場面で強い味方になります。

また、感性工学やデザイン心理の研究が示すように、丸みのある形や柔らかい印象のデザインは、快さや親しみにつながりやすく、人の警戒心を和らげる働きを持っています。広告が嫌われやすい時代において、この「警戒心を和らげる」という効果は見逃せません。
強すぎるメッセージや派手な色で押し切る手法は、かえって避けられる可能性がありますが、丸さや淡い色、余白のあるデザインは、情報が過剰な環境の中で自然に視線を止めるための手助けをしてくれます。

交通広告のような、大勢の人が歩く空間で一瞬だけ目に入る広告でも、スマホ広告のように高速で流れていく情報の中でふと視線が止まる場面でも、かわいさを形づくる視覚要素は共通して働きます。丸い形は優しく視線を受け止め、淡い色は緊張を生まず、弱さを感じる要素や柔らかい質感は親しみを引き出します。それらが揃うと、広告は見る人に圧力をかけることなく自然に受け入れられ、自分ごとのように考えてもらえる可能性が高まります。

かわいさを用いることは、広告を子ども向けにすることとは違います。むしろ、かわいさが持つ「近づきやすさ」「受け入れられやすさ」を必要とするのは、大人も含めた幅広い生活者です。サービスやブランドへの抵抗感を下げたり、硬いテーマをやわらかく伝えたり、難しい商品の説明を入りやすくしたりするための手がかりとして、かわいさは十分に力を発揮します。かわいいという言葉に敏感な文化を持つ日本では、なおさらこの効果が大きくなります。

今回の話をまとめると、かわいさとは形や色や質感の組み合わせから生まれる感情であり、人の注意や行動を変える力を持っています。
たまごを通して見てきたように、丸さや弱さ、淡い色には人の心をゆるめ、視線を自然に誘導する働きがあります。広告の世界では、この感覚的な要素を意図的に使いながら、見る人の心の中に小さな余白をつくり、そこにメッセージが入り込む余地を作ることが求められます。

広告は情報を届けるだけでなく、人の気持ちと向き合う仕事でもあります。かわいさは、その入口としてとても有効な手段です。たまごのように何気ないものにも感情が動く背景には、人の心理に共通する構造があります。その構造を理解し、広告の中に自然に組み込むことで、企業やサービスの伝えたい内容が、よりスムーズに、より優しく、生活者のもとに届くようになります。

たまごのような小さな“かわいい”からでも、広告は変えられます。
もし、今の広告で「ちょっと硬いな」「伝わりづらいな」と感じるところがあれば、小さく整えるところから始めてみませんか。
どこから手をつければいいか迷ったときは、ぜひご相談ください。一緒にやわらかくて伝わる広告づくりを考えていきましょう。

 

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