2026年3月3日

マーケティング

炎上を防ぐ運用の仕組みづくり 広告・SNS担当者が押さえるべき体制整備と危機管理の基本

 

企業の広告やSNS投稿がきっかけとなり、短時間で批判が拡散し、ブランドの信頼を大きく損なう事例が後を絶ちません。こうした炎上が話題になるたびに「コピーが強すぎた」「ビジュアルが不適切だった」といった表現面の問題として語られがちですが、実際に過去の事例を丹念にたどっていくと、問題の根はもっと深いところにあることが見えてきます。
事前の確認体制が機能していなかった、投稿後の反応を誰もモニタリングしていなかった、緊急時の対応方針が決まっていなかったなど、運用面の不備が事態を大きくしているケースが少なくありません。

消費者庁は景品表示法第26条に基づき、事業者に対して「表示の管理上の措置」を講じることを義務づけています。この指針では、景品表示法の考え方の周知・啓発、表示等の根拠情報の確認、表示等を管理する担当者の指定、根拠情報を事後的に確認するための保管、不当な表示等が明らかになった場合の迅速かつ適切な対応など、7つの項目が示されています。
つまり、行政が企業に求めているのは「何を書くか」という表現のテクニックだけではなく、「誰が確認し、どう管理し、問題が起きたときにどう動くか」という体制そのものなのです。

ここでは、広告やSNSの運用における炎上リスクをどのような視点で捉え、どのような体制で備えるべきかについて、行政が公表している一次情報をもとに掘り下げていきます。

 

なぜ企業の情報発信リスクは高まっているのか

SNSの普及により、企業が発信する情報の影響範囲は従来とは比較にならないほど広がりました。まずは、炎上の背景にある環境の変化と、行政が示している基本的な考え方を確認します。

全世代に広がるSNS利用と情報拡散の構造

総務省が毎年公表している「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」の令和6年度報告書によると、主なSNSの利用率はLINEが全年代で91.1%、Instagramが52.6%、X(旧Twitter)が43.3%、YouTubeが80.8%に達しています。また、令和7年版情報通信白書では、XやInstagramの利用が50代でも4割を超えるなど、若年層に限らず幅広い年齢層に浸透していることが確認されています。総務省の同調査によれば、全年代の平日のインターネット平均利用時間は181.8分で、テレビのリアルタイム視聴時間154.7分をすでに上回っています。

この数字が意味するのは、企業の公式アカウントから発信した情報が、フォロワーだけでなく、リポストや引用を通じて瞬時に広い範囲の年齢層に届くということです。しかも、スクリーンショットによって投稿は半永久的に保存されます。
仮に問題のある投稿を削除したとしても、すでに拡散されたあとでは「削除して逃げた」という新たな批判材料になることさえあります。個人の感想のつもりであっても、企業の公式チャネルから発信された以上、その内容は組織としての姿勢を代表するものとして受け止められます。SNSでは企業と個人の距離が近くなった分だけ、一つ一つの発信が企業全体の評価に直結するようになったのです。

同調査では、「いち早く世の中のできごとや動きを知る」ために最も利用するメディアとして、10代から50代ではインターネットが最多となっており、テレビを上回っています。企業の不祥事や不適切な発信に関する情報も、SNSを通じてリアルタイムで共有され、短時間で世論を形成する時代になっています。

法令違反だけが炎上の原因ではない

消費者庁は景品表示法に基づき、実際の商品やサービスよりも著しく優れていると消費者に誤認させる「優良誤認表示」や、価格などの取引条件が著しく有利であると誤認させる「有利誤認表示」を規制しています。
さらに、2023年10月1日からはステルスマーケティング(ステマ)も景品表示法上の不当表示として明確に位置づけられました。これは景品表示法第5条第3号に基づく告示(令和5年3月28日内閣府告示第19号)で、「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」を不当表示として指定するものです。

令和6年度にはステマ規制違反による措置命令が6件公表されており、業界大手を含む複数の企業に行政処分が行われています。いずれのケースでも、インフルエンサーに投稿を依頼しておきながら、自社のウェブサイトにその投稿を転載する際に「PR」や「広告」の表記を付けていなかったことが問題とされました。
ステマ規制で注意すべきなのは、処分の対象が投稿したインフルエンサー側ではなく、依頼した事業者側であるという点です。外部に委託した投稿であっても、その管理責任は企業にあります。

しかし、炎上は必ずしもこうした法令違反だけで起きるわけではありません。
社会的な配慮に欠ける表現、特定の立場や属性の人を傷つける可能性のある内容、災害や事件の直後にそぐわないキャンペーンを実施してしまうケースなど、法的には問題がなくても企業姿勢への不信感が一気に高まることがあります。
つまり、法令遵守は炎上対策の最低ラインであって、それだけでは十分ではないのです。社会の空気を読む感度と、判断に迷ったときに立ち止まれる体制がなければ、リスクを回避することはできません。

景品表示法改正で企業の責任はさらに重く

2024年10月1日に施行された改正景品表示法では、従来の規制がさらに強化されました。大きな変更点は3つあります。

1つ目は、悪質な不当表示に対して直接刑事罰が科されるようになったことです。従来は措置命令に違反した場合に初めて刑事罰の対象となりましたが、改正後は措置命令を経ずに直接罰則が適用される場合があります。
2つ目は、課徴金の算定率が売上額の3%から最大4.5%に引き上げられたことです。繰り返し違反する悪質な事業者への経済的な抑止力が強化されています。
3つ目は「確約手続」の導入で、違反の疑いがある段階で事業者が自主的に改善計画を提出し、消費者庁に認定されれば措置命令や課徴金を免れることができる仕組みが整いました。2025年2月には初の確約計画認定事例も公表されています。

この改正は、問題が起きたあとの対応のスピードと透明性がこれまで以上に重視される時代になったことを示しています。日常的に表示の根拠を管理し、リスクを想定しておくことが、法的にも経営的にも欠かせなくなっています。

 

運用体制を見直すための具体的な確認ポイント

ここからは、広告やSNSを日常的に運用する企業が、体制とフローの面から確認すべきポイントを具体的に見ていきます。消費者庁が公表している「事業者が講ずべき景品類の提供及び表示の管理上の措置についての指針」(平成26年11月14日内閣府告示第276号、令和4年改正)を参照しながら、実務に落とし込める視点で整理します。

発信前の確認体制は「文書化」されているか

まず確認すべきは、広告やSNS投稿の最終承認を誰が行うのかが明確になっているかどうかです。
担当者個人の判断に任せきりになっていないか、上長や法務担当、外部パートナーとの確認フローが文書として存在しているかを見直します。

消費者庁の管理措置指針では、表示に関する情報を確認するための担当者や責任者を定めることが求められています。また、事業者が表示の作成を他の事業者に委ねる場合には、委託先に対しても自社の管理体制についての理解を求め、不当表示に該当しないよう指示することが必要であると明記されています。
規模の小さい企業であれば代表者がその役割を担うことも認められていますが、組織が大きくなればなるほど関与する人が増え、情報共有の仕組みがより重要になります。

ルールが存在していても、実際に機能していなければ意味がありません。
承認フローが形式的なスタンプラリーになっていないか、承認者が内容を十分に確認する時間が確保されているか、承認の記録が残る仕組みになっているかも大切な確認事項です。
特にSNS投稿はスピードが求められるため、つい承認プロセスを省略しがちですが、「急ぐから確認を飛ばす」という判断が最もリスクを高めます。

投稿後のモニタリングと初動対応の基準はあるか

発信した情報に対する反応をどのように把握し、異常を検知するかも運用上の重要な確認ポイントです。
コメント欄や引用投稿を定期的にチェックする担当者が決まっているか、通常と異なる反応が発生した場合にエスカレーション(上位者への報告と判断の引き上げ)する基準が明文化されているかを確認します。

炎上の多くは、初動の遅れによって事態が悪化しています。問題のある投稿を発見してから対応を検討するのでは遅いのです。
あらかじめ「どのような反応が出たら誰に報告するか」「削除・訂正・謝罪のどれを選ぶのか」「その判断は誰が行うのか」「対外的なコメントは誰が承認するのか」を決めておくことで、場当たり的な対応を防ぐことができます。特に気をつけたいのは、担当者が「自分の判断で投稿を削除してしまう」ケースです。削除そのものが新たな批判を呼ぶことがあるため、削除の判断も組織的に行う必要があります。

2025年4月1日に施行された「情報流通プラットフォーム対処法」(旧プロバイダ責任制限法の改正法)では、月間利用者数1,000万人以上の大規模プラットフォーム事業者に対して、削除対応の迅速化と運用状況の透明化が義務づけられました。この法律は主にプラットフォーム事業者に向けたものですが、企業側も自社に関する誹謗中傷や虚偽情報が拡散された場合の対応手順を把握しておくことが望まれます。
総務省が支援する「違法・有害情報相談センター」では、削除依頼の方法に関する相談を受け付けており、万一の場合の窓口として知っておくと安心です。

表示の根拠となる情報は保管されているか

消費者庁の管理措置指針では、表示の根拠となる情報を事後的に確認できるよう保管しておくことも求められています。これは広告の表現に限った話ではなく、SNS投稿の内容についても同様です。
キャンペーンの告知で「お客様満足度No.1」「売上ランキング第1位」などと記載する場合、その根拠となる調査データはどこにあるか、いつ実施された調査か、調査方法は客観的で合理的なものかを確認し、資料として整理・保管しておく必要があります。

2024年9月に消費者庁が公表した「No.1表示に関する実態調査報告書」では、「顧客満足度No.1」や「医師の○%が推奨」といった第三者の主観的な評価を指標としたNo.1表示について、景品表示法上問題となるケースの考え方が具体的に示されました。2023年度の景品表示法に基づく措置命令は合計44件にのぼり、そのうち13件がNo.1表示に関するものでした。
こうした表示は広告制作の現場で安易に使われがちですが、根拠の裏づけがない表示は措置命令の対象になります。「なんとなくよく見る表現だから大丈夫」「競合他社も使っているから問題ない」という判断が最も危険です。

 

リスクを想定し事前にシナリオを設計する

ここまでは発信前と発信後の体制について確認してきましたが、危機管理の本質は「起きてから考える」のではなく「起きる前に備えておく」ことにあります。事前のシナリオ設計がなぜ必要なのか、どのように行うのかを整理します。

自社のリスク要因を棚卸しする

まず、自社の商品やサービスに関連して、どのような批判が想定されるかを洗い出す作業が必要です。
業種によってリスクの性質は大きく異なります。食品メーカーであれば原材料や産地表示に対する疑義、化粧品ブランドであれば効能効果の誇大表示、不動産業であれば価格や条件の有利誤認表示、ECサイトであれば口コミやレビューの信頼性など、自社の事業領域に固有のリスクがあります。

これらをあらかじめ書き出し、「こういう指摘が来たらどう回答するか」「どの部署が対応するか」という基本的な方針を整理しておくことで、担当者が個人の判断で場当たり的に対応してしまうリスクを減らせます。完璧なシナリオを作ることが目的ではなく、「想定していたかどうか」という差が、初動のスピードと正確さを大きく左右します。
想定していなかった事態が起きたとき、人はパニックに陥りやすく、最も不適切な対応をしてしまいがちです。「まさかうちの会社が炎上するとは思わなかった」という声は、過去の多くの事例で繰り返し聞かれるフレーズですが、それはまさに想定の不足を物語っています。
リスクの棚卸しは、問題を防ぐだけでなく、万一の際に「想定の範囲内」として冷静に対処するための心理的な準備にもなります。

社会情勢に応じた発信判断の基準を持つ

大規模な災害や痛ましい事件が発生した直後に、予定していたキャンペーンをそのまま実施してしまい批判を受けるケースは繰り返し起きています。問題の本質は、キャンペーンの内容そのものよりも、「この状況下でこの発信をする企業の姿勢」が問われるという点にあります。

これを防ぐためには、「大規模な災害や社会的に重大な事件が発生した場合は、予定されている投稿やキャンペーンの公開を一時停止し、状況を確認する」という判断基準をあらかじめ社内で合意しておくことが有効です。
具体的な対応としては、キャンペーン開始前に当日の社会情勢をチェックする手順を組み込むこと、複数パターンの投稿を事前に用意し差し替えに対応できるようにしておくこと、停止の判断権限を特定の責任者に持たせておくことなどが考えられます。
こうした準備は表現の自由を制限するものではなく、むしろ企業が責任ある発信者としての信頼を保つための仕組みです。

緊急時の対応フローを明確にしておく

実際に炎上が発生した場合に、社内でどのように情報が流れ、誰が何を判断するのかを事前に決めておくことが不可欠です。
第一報を受けた担当者はまず誰に連絡するのか、事実確認はどの部署が行うのか、対外的な発信(謝罪文や訂正情報)の承認権限は誰にあるのか、広報部門と法務部門と経営層の役割分担はどうなっているのか、といった項目を一つずつ明確にしておきます。

消費者庁の管理措置指針でも、「不当な表示等が明らかになった場合における迅速かつ適切な対応」が事業者に求められる措置の1つとして挙げられています。ここでいう「迅速かつ適切な対応」は、単に謝罪文を出せばよいというものではありません。原因の究明と事実関係の整理、再発防止策の検討と実施、関係者や消費者への誠実な説明、そして社内での情報共有と体制の見直しという一連の流れが求められます。

こうした対応フローを、炎上が起きてから初めて議論するのではなく、平時にシミュレーションしておくことが重要です。年に一度でも、架空の炎上シナリオをもとに「実際にどう動くか」を関係者で確認しておくだけで、有事の際の対応力は大きく変わります。
シミュレーションの過程で「実はこの部分の判断権限が曖昧だった」「この連絡先が古くなっていた」といった問題点が見つかることも少なくありません。

 

組織の文化と外部パートナーの力をどう活かすか

炎上対策は担当者一人の注意力に頼るだけでは限界があります。組織全体としての意識づくりと、外部パートナーとの連携のあり方について考えます。

経営層の関与が組織全体の対応品質を決める

危機管理が実際に機能するかどうかは、経営層がどれだけ本気で関与しているかに大きく左右されます。
情報発信の重要性を経営層が理解し、万一の際に自ら説明責任を果たす姿勢を持っているかどうかが、組織全体の対応品質を決定します。

現場の担当者がリスクを的確に認識していても、上層部が「そこまでやる必要はない」「炎上などうちには関係ない」と判断してしまえば、対策は前に進みません。逆に、経営層が平時から「自社がどのような価値観で情報発信を行うのか」を明確に示し、それを全社で共有していれば、個々の場面で判断がぶれにくくなります。
企業としての行動指針やブランドガイドラインの中に、情報発信に関する基本的な考え方を盛り込んでおくことが、日常的な予防策になります。

社内教育は新人だけでなく全階層で定期的に行う

総務省は「#NoHeartNoSNS(ハートがなけりゃ、SNSじゃない!)」をスローガンに、SNS上の誹謗中傷が社会問題化していることを広く注意喚起を行っています。企業の側でも、SNSの私的利用と業務利用の境界があいまいな時代だからこそ、社内ガイドラインの整備と継続的な教育が欠かせません。

新入社員に対する初期研修だけでは不十分です。管理職や役員も含めた全階層での定期的な研修が必要です。管理職には「部下の投稿内容を確認し、問題があれば差し止める権限と責任がある」ことを明確に認識してもらう必要があります。

ガイドラインは一度作って終わりではなく、法改正や社会状況の変化に応じて更新していく必要があります。
景品表示法に加え、薬機法、特定商取引法、著作権法など、広告やSNS運用に関連する法令は多岐にわたります。自社の事業に関係する法令の最新動向を把握し、社内に共有する仕組みも併せて整えておくべきです。

外部パートナーとの連携で「第三者の目」を確保する

広告代理店や制作会社と連携して広告やSNS運用を行っている場合は、役割分担と責任範囲を契約段階から明確にしておくことが重要です。
消費者庁の管理措置指針でも、表示の作成を他の事業者に委ねる場合には、委託先に対しても自社の管理体制についての理解を求め、不当表示に該当しないよう指示することが求められると明記されています。

企画段階からリスクを共有し、懸念点を率直に指摘し合える関係性を築いておくことが理想です。社内にいると気づきにくい視点を、外部パートナーは持っています。
「自社の常識が世間の非常識になっていないか」を客観的に確認してもらえることは、外部パートナーと組む大きなメリットの一つです。万一炎上が発生した場合の対応方針についても事前にすり合わせておけば、発生時に「誰が何を判断するのか」で迷う時間を最小限に抑えることができます。

外部パートナーは単なる制作リソースではなく、リスク管理のパートナーとして位置づけることが、これからの時代には求められています。

 

メディア選定そのものがリスク管理になる

ここまで、社内体制やフロー設計の話を中心に見てきましたが、実はもう一つ、炎上リスクに大きく影響する要素があります。それは「どのメディアで発信するか」という選択そのものです。メディアの特性を理解した上で使い分けることが、リスク管理の一環になるという視点を押さえておきます。

SNS広告と交通広告ではリスクの構造が違う

SNSやウェブ広告は、制作から配信までのスピードが速く、ターゲティングの精度も高い優れたメディアです。しかし、その手軽さゆえに、広告表現の事前チェックが甘くなりやすいという構造的なリスクがあります。
運用型広告であれば、担当者がその場で入稿して即日配信することも技術的には可能です。承認プロセスを経ずに配信されてしまうリスクが常にあります。

一方、交通広告や屋外広告には、掲出前に必ず媒体社側の審査を通過するというプロセスが組み込まれています。
関東交通広告協議会に加盟する鉄道事業者11社は「広告掲出審査判断基準」を共有しており、消費者保護の観点から不適切な表現がないか、公共の交通機関にふさわしい品位を備えているか、青少年への配慮がなされているかといった観点で、広告の内容が事前にチェックされます。
東京都交通局でも独自の「広告掲出審査要領」を定めており、景品表示法や薬機法などの関連法令に照らした審査が行われています。

つまり交通広告には、広告主の社内チェックに加えて、媒体社(電鉄会社や交通事業者)による第三者の目が入るという二重のチェック構造が存在するのです。これは制作スピードという観点ではデメリットに見えることもありますが、リスク管理という観点では大きな安全装置になっています。

「審査に通らなかった」は実は価値のある情報

交通広告の審査では、広告主が意図していなかった問題点が指摘されることがあります。たとえば、表現が誇大にあたる可能性がある、特定の属性に対して配慮が不足している、法令上必要な記載が漏れているといった指摘です。
こうした審査のフィードバックは、そのまま「SNSで同じ表現を使っていたら炎上していたかもしれない」という気づきにつながります。

交通広告の審査で得られた知見を社内に共有し、ウェブ広告やSNS投稿のガイドラインに反映していくことで、メディアを横断した表現の品質管理が可能になります。審査に通らなかったこと自体は失敗ではなく、公の場に出る前にリスクを発見できたということであり、むしろ広告運用全体の品質を底上げするための貴重な機会です。

メディアミックスの中にリスク分散の視点を入れる

広告の出稿を検討する際に、リーチやコスト効率だけでなく、リスクの分散という視点を加えることも重要です。
SNSだけに偏った広告展開は拡散力がある反面、炎上した場合の影響も一気に広がります。交通広告や屋外広告は、公共空間に物理的に掲出されるため、SNSのような瞬間的な拡散リスクとは性質が異なります。
掲出期間や場所が明確で、万一問題が生じた場合にも対応の範囲が限定しやすいという特徴があります。

もちろん、交通広告であっても撮影されてSNSで拡散される可能性はゼロではありません。しかし、事前の審査プロセスを経ていることで、表現上のリスクがあらかじめ低減されているという安心感があります。
複数のメディアを組み合わせてコミュニケーションを設計する際に、それぞれのメディアが持つリスク特性を理解し、全体としてバランスの取れた出稿計画を組むことが、これからの広告担当者に求められる視点です。

 

まとめ

広告やSNSの炎上は、派手な表現だけが原因ではありません。多くの場合、その背景には確認体制の不備、初動対応の遅れ、責任の所在の曖昧さといった運用上の課題が潜んでいます。
消費者庁が公表している「事業者が講ずべき景品類の提供及び表示の管理上の措置についての指針」をはじめ、景品表示法のステマ規制や2024年改正法の内容を踏まえても、企業に求められているのは表現のテクニック以上に、責任ある運用体制の構築です。

発信前の確認フローは文書化されているか。投稿後のモニタリング体制と初動対応の基準はあるか。表示の根拠資料は保管されているか。リスクの棚卸しと緊急時の対応シナリオは準備されているか。経営層を含めた全社的な意識共有と定期的な教育は実施されているか。これらの確認ポイントを一つずつ見直していくことが、ブランドを守る最も確実な備えになります。
炎上は完全に防げるものではないかもしれませんが、備えがあるかないかで、起きたときの被害の大きさと回復のスピードはまったく違ってきます。大切なのは、問題が起きないことを祈ることではなく、起きたときに適切に動ける体制を平時から整えておくことです。

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