2026年10月1日
マーケティングひとり時間の行き先に選ばれる ソロ活を楽しむ人に届く広告の伝え方と媒体選び
見たい映画を自分の予定に合わせて見に行く。気になっていた店で食事をする。旅先で、好きな場所をゆっくり歩く。
自分のペースで過ごす「ソロ活」には、行き先や時間の使い方を自由に選べる楽しさがあります。
飲食店や宿泊施設、レジャー施設などにとって、こうした利用場面に目を向けることは、広告を考える手がかりになります。
ただ、興味を持っても、ひとりで入りやすいか、予約はできるか、料金はいくらかかるかがわからなければ、足を運ぶまでに迷いが生まれます。どのような時間を楽しめるのかとともに、利用する様子や条件が伝われば、自分に合う場所かを判断しやすくなります。
ここでは、ソロ活を楽しむ人の関心や利用場面を踏まえ、広告の伝え方と媒体選びについて解説します。
目次
ソロ活を楽しむ人の目的を捉える
ひとりで出かける人が、その時間に求めるものはさまざまです。好きなことに集中したいのか、予定を決めずに過ごしたいのか、興味のある催しに参加したいのか。広告を考える際には、利用人数だけでなく、そこでどのような時間を楽しみたいのかに目を向けます。
自分のペースで選べる時間の価値

美術館で気に入った作品をじっくり見る。買い物の途中で、入りたい店に立ち寄る。食事では、その日に食べたいものを選ぶ。ひとりで行動するときは、誰かと予定や好みを合わせずに決められることが魅力になります。
マーケティング・リサーチ会社のクロス・マーケティングが2024年11月に全国の20〜69歳の男女2,500人を対象に行った調査では、ひとりで過ごすことの良さとして「自分のペースでいられる」が48%で最も多く挙げられました。「ストレス解消になる」「自由を味わえる」「周りの人を気にせずにいられる」なども30%台で続いています。
この結果を広告に生かすなら、自社の商品やサービスのどこに、自分のペースで楽しめる要素があるかを探します。
宿泊施設なら、客室で読書をしたり、好きな時間に周辺を散策したりする過ごし方を紹介できます。体験施設なら、作るものを自分で選べることや、制作に集中できる環境などが、伝える内容の候補になります。
同じ人でも、使える時間やその日の目的によって、選ぶサービスは変わるでしょう。仕事帰りに短時間で食事を済ませたい日もあれば、休日にゆっくり料理を味わいたい日もあります。広告で提供時間や営業時間を伝えるのか、料理や空間の魅力を紹介するのかは、想定する利用場面によって決まってきます。
「ひとりで利用する人」を具体的に思い描くと、広告で取り上げる特徴も絞れます。誰にでも同じ過ごし方を勧めるのではなく、実際に提供できる選択肢を示し、本人の希望に合うものを見つけてもらうことが大切です。
ひとりで参加して楽しむ交流
ソロ活には、ひとりで申し込んだ先で、人との交流を楽しむ形もあります。旅行や体験教室などでは、同行者を誘わずに参加し、その場で同じ関心を持つ人と時間を共有することもできます。
クラブツーリズムの「おひとり参加限定の旅」は、その一例です。同社の公式サイトでは、知り合い同士での参加を受け付けず、参加者全員がひとりで申し込む仕組みを紹介しています。宿泊を伴うツアーでは、一部を除いて1名1室を確約しており、日中はほかの参加者とにぎやかに過ごし、夜は自分の時間を大切にできる点が好評だと案内しています。
この事例からは、広告で「ひとり参加」と案内するとき、参加後の過ごし方まで説明することの大切さが見えてきます。個別に行動するのか、グループで体験するのか。食事はそれぞれの席なのか、参加者と同じテーブルを囲むのか。どのような時間を過ごしたいかによって、その違いが選ぶ際の条件になります。
教室やイベントでも、講師から個別に教わる時間と、参加者同士で話す時間とでは、場の雰囲気が異なります。制作中の様子や進行の流れを紹介すれば、初めて参加する人も、自分がその場で過ごす姿を想像しやすくなります。
ひとりでの利用を歓迎する言葉に加えて、どのような環境で、どこまで自由に過ごせるのかを伝えれば、静かに楽しみたい人も、交流を楽しみたい人も、自分に合うサービスかを確かめられます。
ひとりで利用する場面が伝わる広告
行ってみたい店や施設が見つかっても、ひとりで利用する様子を思い描けず、迷うことがあります。広告では、座席や設備、サービスの流れを見せるとともに、ひとりで利用する場合の料金や予約条件を伝えます。興味を持った人が、利用を具体的に考えられる情報をそろえていきます。
利用の様子を具体的に見せる

ひとりでの利用に感じる抵抗は、場所やサービスによって異なります。
先に紹介したクロス・マーケティングの調査の外出編では、ひとりで行った経験が多い飲食店としてハンバーガーやカフェ・喫茶、牛丼・丼ものなどが挙がる一方、ひとりで行くことに抵抗感が強い店として、焼肉、鍋・しゃぶしゃぶ、食べ放題などが上位に挙がっています。ひとりでの外食といっても、店のジャンルによって入りやすさの感じ方には差があることがわかります。
抵抗感を持たれやすいジャンルでも、設備や仕組みによって、ひとりでの利用を後押しできます。
焼肉ライクは、ひとりでは行きにくい焼肉店という課題から1人1台の無煙ロースターを用意したことを、公式サイトのコンセプトで紹介しています。自分のペースで、好みの焼き加減で楽しめるという説明から、ひとりで焼肉を味わう様子が伝わってきます。
自店でも、ひとりの客がどのように過ごせるかを確かめてみましょう。
カウンター席がある、一人前のセットを注文できる、自分のタイミングで料理を楽しめる。こうした特徴があれば、写真や言葉で具体的に伝えられます。
写真を選ぶときも、実際に利用する場所がわかるものを用意します。飲食店なら座席と料理の量、宿泊施設ならひとりで泊まるときの客室、体験教室なら作業スペースなどです。複数人で楽しむ場面を載せる場合も、ひとりで来た人がどのように参加できるかを添えれば、利用の仕方を確かめられます。
また、「静かに過ごせる」「自分のペースで楽しめる」といった表現は、実際の運営に沿って使う必要があります。時間制限や進行上の決まりがあるなら、その条件も案内します。広告で期待した過ごし方と、利用したときの体験をそろえることが大切です。
ひとり分の料金と予約条件
利用する様子とともに確かめたいのが、人数に関する条件です。
ひとりで予約できるのか、コース料理を一人前から頼めるのか、参加者が少なくても催しは実施されるのか。サービスによって確認すべき点は変わります。
宿泊の案内では、「1名当たり」の料金が、2名1室での利用を前提にしている場合があります。一人旅に向けて案内するなら、1名1室で利用した場合の料金がわかるようにします。追加料金がかかる場合も、予約を進める前に確認できれば、予算と照らし合わせて検討できます。
飲食店では、一人前から注文できるメニューやコース、その料金を示します。「おひとりさま歓迎」と案内していても、広告で紹介したコースが2名以上からの注文であれば、ひとりで利用しようとした人は選び直すことになります。
広告に載せる内容と、ひとりで実際に注文できる内容が合っているかを確認しておきましょう。
体験やツアーでは、ひとりから申し込めることと、ひとりの申し込みでも開催されることを分けて伝えます。開催に必要な人数があるなら、実施が決まる時期や、中止になった場合の連絡方法まで確認できるようにします。
広告には主な魅力とひとりで利用する際の条件を載せ、日程ごとの料金や空き状況などはサイトで案内する方法もあります。予約画面で人数を1名に設定でき、広告で見たプランを選べるかも確かめておきます。
ひとりで利用したいと思った人が、途中で条件を探し直さずに済む案内を整えていきます。
利用場面から考える広告展開
仕事帰りに立ち寄る店と、休日のために予約する宿では、情報を知りたいタイミングが異なります。広告を届ける場所や時期を考える際は、利用する場面から逆にたどり、どこで知ってもらい、何を確かめてもらうかを整理します。
寄り道の店と予定を立てる旅

飲食店や映画館、温浴施設などでは、通勤や買い物の途中で存在を知り、その日の予定に加えてもらう場面が考えられます。
駅やバス、店舗周辺の屋外広告を検討するなら、対象となる人が普段どこを通り、施設までどのように移動できるかを確認します。
例えば、仕事帰りの食事に利用してもらいたい店なら、最寄り駅や店舗へ向かう道路が広告の候補になります。店名や場所、営業時間に加えて、一人前のセットやカウンター席などの特徴を伝えれば、ひとりで食事をする日の選択肢として思い出してもらえます。
長く掲出する広告では、店名と場所、ひとりでの利用に対応していることなど、継続して伝えたい内容を中心に据えます。
日によって変わる営業時間やメニューの詳細は、サイトや店頭で確認できるようにします。広告を見たその日に限らず、後日利用を考えたときにも、必要な情報へたどり着ける案内にしておくことが大切です。
一方、宿泊旅行や予約制の体験では、日程や予算を決める段階で知ってもらう必要があります。
旅行や趣味を扱う媒体、Web広告などを通じて過ごし方を紹介し、詳しく検討できるページへ案内します。集合場所や交通手段によって参加できる範囲も変わるため、広告を届ける地域は実際の利用条件に合わせて考えます。
同じ施設でも、短時間の利用と半日かけて過ごす利用とでは、紹介したい内容が変わります。温浴施設なら、入浴だけの利用か、食事や休憩も楽しむ利用かを整理すると、伝えるプランや広告の掲載先を決めやすくなります。
検索から予約までの案内
具体的に行き先を探している人には、検索を通じた接点もあります。
「地域名+ひとりランチ」「一人旅+温泉」といった検索語には、場所やサービスへの関心に加え、ひとりで利用できるかを確かめたい意図が含まれていると考えられます。
検索広告やサイトでは、その問いに応える内容を用意します。
ひとりランチを紹介するページなら、一人前のメニューや料金、座席の様子、利用できる時間帯をまとめます。一人旅のページなら、1名で予約できる宿泊プランと、その場合の料金を確認できるようにします。店舗や施設の総合案内の中で、必要な情報を何度も探し直さなくて済む構成を目指します。
SNSでは、入店から注文までの流れや、客室で過ごす様子、体験中の手元などを写真や動画で紹介できます。初めて利用する人が気にしそうな点を、実際の問い合わせや接客の場から拾っておくと、載せる内容を考える手がかりになります。
広告の対象も、「ひとり暮らしの人」だけに限定せず、旅行や外食、趣味への関心と利用場面から考えます。世帯構成から利用意向を決めつけず、サービスを必要とする場面に合った届け方を検討します。
広告を掲載した後は、問い合わせの内容も見直しに役立ちます。「ひとりでも予約できますか」「表示の料金で利用できますか」といった質問が寄せられるなら、案内が十分に伝わっていない可能性があります。
広告やサイトで補うべき情報を確かめ、利用する人が判断しやすい形に整えていきます。
まとめ
ソロ活に向けた広告では、その人がどのような時間を楽しみたいのかを考えるところから始まります。自分のペースで食事をする、趣味に集中する、旅先で新しい人と出会う。ひとりで利用する目的を具体的に捉えることで、自社の商品やサービスから伝えたい魅力が見えてきます。
その魅力とともに、座席や設備、料金、予約条件などを示せば、自分に合う場所かを確かめてもらえます。広告で知り、詳しく調べ、ひとり分の予約や注文をする。その流れの中で迷うところがないか、利用する人の立場で見直しておくことが大切です。
私たちは、店舗や施設の商圏、利用される場面を踏まえ、交通広告・屋外広告とWeb広告を組み合わせた広告展開をご提案しています。
ひとりで食事を楽しむお客様を迎えたい、一人旅や体験プランを知ってもらいたいなど、集客をお考えの際は、ぜひお気軽にご相談ください。
