2025年12月2日

その他

その名前、大丈夫? ― ネーミングと登録商標の意外な関係 ―

 

どんなビジネスも、最初は「名前」から始まります。
商品でもサービスでも、社名でも、名前が決まった瞬間にようやく輪郭が見えてくる。ネーミングとは、ただの言葉選びではなく、理念や価値観、そして未来の方向性を込める行為です。

だからこそ多くの経営者が、「名前決めほど悩むものはない」と口を揃えます。響きがよくて、覚えやすくて、検索しやすい。おまけにドメインも空いていて、SNSでも被らない。そんな“理想の名前”を探す旅は、まるで砂金を掘り当てるような根気のいる作業です。

しかし――。
どれだけ完璧な名前でも、「すでに誰かの登録商標だった」としたら、使えません。しかも、それを知らずに使ってしまえば、思いもよらない法的トラブルにつながることもあります。
ネーミングとは、創造と法の狭間を歩く作業です。その関係を正しく理解していないと、せっかくのブランドが思わぬ形でつまずくこともあるのです。
ここでは、ネーミングと商標権という法律との関係について、事例をもとにしながら掘り下げてご説明します。

 

登録商標の仕組みと基本原則

まず押さえておきたいのが、「商標」と「登録商標」の違いです。
商標とは、商品やサービスを識別するための「名前」「マーク」「ロゴ」「音」「色」などを指します。ですが、これを考えたり使ったりするだけでは、法的な権利は発生しません。
特許庁に出願し、審査を経て「登録」が完了した時点で初めて、独占的に使う権利が認められます。これが「登録商標」です。(商標法 第25条)

登録商標になると、同じ分野で他者が同じまたは類似の名前を使うことを差し止めることができます。つまり、「登録した者が正当な使用者」として法律で保護されるわけです。逆に、登録していない商標は、どれだけ長く使っていても、基本的には守られません。

中小企業でよくあるのが、「創業当時から使っている名前なのに、後から他社に商標登録されてしまった」というケース。この場合、登録を後出しした相手のほうが強く、最悪の場合は自社の看板を変えざるを得ないこともあります。ネーミングは“発想”で始まり、“登録”で完成する。この順番を知らないまま走り出すと、努力が水の泡になることもあるのです。

1. 登録の仕組み

商標登録は、分野(区分)ごとに分かれています。これは、商標が使われる業界や目的によって性質が異なるためです。
たとえば「第30類」は食品や飲料、「第25類」は衣料品、「第41類」は教育・娯楽サービスなど。特許庁では45の区分が定められており、それぞれの区分ごとに別の商標権が成立します。

つまり、同じ名前でも異なる分野であれば登録できる――これが商標制度の大きな特徴です。商標とは「名前の取り合い」ではなく、「お互いのフィールドを認め合う仕組み」なのです。

たとえば、「ポロ(POLO)」という名前を聞いて何を思い浮かべますか?ファッションが好きな人なら「ポロ・ラルフローレン」。自動車好きならフォルクスワーゲンの「ポロ」。お菓子好きならミントタブレットの「ポロ」を思い出す人もいるでしょう。これらはすべて、衣料品、輸送機器、食品というジャンルが違うため、別の区分で共存しています。

同様に、「アイリス」という名前も、家庭用品メーカーの「アイリスオーヤマ」と、葬祭業の「アイリス」や美容サロンの「IRIS(イリス)」など、業種が異なるため、商標としてそれぞれ成立しています。
また、「アリス」も、写真スタジオの「スタジオアリス」と、アパレルや雑貨で使われる「ALICE」ブランド。どちらも登録済みですが、分野が違うため共存しています。

このように「同じ音」「同じ言葉」でも、登録区分が違えば法的に問題はありません。重要なのは「何に使うか」「どんなサービスを指すか」――その範囲なのです。

2. 先行権の重み

さらに興味深い国内事例として有名なのが、「iPhone(アイフォーン)」の商標です。今ではAppleの代名詞とも言えるスマートフォン「iPhone」ですが、実は日本では、Appleよりもずっと前からアイホン株式会社という企業が「AIPHONE(アイホン)」の商標を持っていました。

アイホン株式会社は1948年創業の老舗で、インターホンなどを製造・販売しています。「AIPHONE」は1954年にはすでに商標登録されており、日本国内では立派な先行権者です。また、英語表記の「AIPHONE」も1966年に登録しており、日本国外でも商標権を取得しているそのため、Appleが日本で「iPhone」という名前を登録しようとした際、発音が同じ(アイホン)であり混同を招くおそれがあるとして、商標登録は認められませんでした。

結果としてAppleは、アイホン株式会社から正式に商標使用の許諾(ライセンス)を受け、“借りる”形で「iPhone」という名称を日本で使っているのです。つまり、法的に言えば日本の「iPhone」という名前の所有者はAppleではなくアイホン株式会社。Appleが毎年更新料を支払って使用している、という構造になっています。

この例は、名前の響きが同じでも、先に登録していれば後発の巨大企業でさえ避けて通れないという、商標登録の「先行権」が持つ強い力を示しています。(商標法第8条)

3. 混同を防ぐルール

また、「Dove(ダヴ)」も、ユニリーバのスキンケアブランドと、アメリカのマース社のチョコレートブランドとして、化粧品と食品という異なる区分で問題なく共存しています。
国内では「セブンイレブン」と「セブン銀行」も、同じグループながら流通・金融・小売という事業領域が異なるため独立して商標が成立しています。

商標の世界では、このように「同じ名前でも違う分野ならOK」というケースが日常的にあります。しかし逆に、異なる業種でも有名ブランドが存在するときには「混同のおそれ」と判断されて登録が拒絶されることもあります。

たとえば「トヨタコーヒー」や「グッチ文具」といった名前は、分野が違っても消費者が誤解する可能性が高いため、登録が難しいでしょう。有名商標ほどその影響範囲が広く、他分野への登録も制限されやすくなります。

つまり商標制度は、“名前を独占する仕組み”ではなく、“社会的混乱を防ぐルール”なのです。同じ言葉でも、誰が・どこで・どんな目的で使うのかによって意味が変わります。商標は排除のためではなく、共存のための制度。そのバランスを理解することが、ブランドづくりにおいてとても大切なのです。

 

越境するリスク

日本で長く親しまれている呼び名でも、国境を越えた瞬間に別の誰かの商標になっている――そんなことは珍しくありません。商標権は国ごとに独立していて、日本での周知性がそのまま海外での保護を保証してくれるわけではないからです。
商標は“世界共通パス”ではない。この当たり前の事実が、海外展開の現場では思った以上に重くのしかかります。

1. 国際的な課題

日本の呼称や作品名、個人名でさえ、海外では第三者に先取り出願されることがあります。基礎に立ち返ると、権利化は国ごと、そして更新は原則10年ごとです。
出願から公告、審査、不服申立や異議と、各国の手続のディテールも異なります。国内で安全に使えているからといって海外でも安心、というわけではないのです。
進出予定がなくても主要市場では“先に押さえる”という発想が重要になります。

2. 【事例】無印良品と中国の「先願主義」の壁

実例で考えると理解が早まります。良品計画の「無印良品」は、中国市場への進出過程で、現地企業が同名に近い表示を衣料・繊維分野で商標出願し、以後、長く複雑な争いが続きました。報道や実務記事では、北京棉田紡織品有限公司側の権利が一部区分で認められ、日本本社側が思うように「無印良品」を使えない領域が生じた経緯が度々整理されています。

これは、中国が「先願主義(First-to-File)」を強く採る国であることの典型です。ブランドの根幹に直結するネーミングでも、現地での先取りと区分の違いが絡むと、同じ言葉が“自分のものではない”場面が現れます。海外での商標の守り方は、国内の延長線では測れない――その現実を象徴する一件です。

3. エンタメ・スポーツ分野で加速する先取りリスク

アニメ・キャラクターの世界も例外ではありません。『クレヨンしんちゃん』の名称やキャラクター表現は、中国で第三者に先んじて出願・登録された例があり、現地の裁判所が著作物性や先行の周知性を判断しながら権利の在り方を整理した事案がいくつも取り上げられてきました。
海外では、人気作品の名前や絵柄を狙った“便乗出願”が繰り返されがちで、放置すれば現地での正規展開に支障が出るリスクが高い。その国の法に即して、異議申立や無効審判などで一つひとつ外していく粘りも必要になります。

個人名も安全圏ではありません。大谷翔平選手の名前を巡っては、現地企業が中国でアパレル分野などに先取り出願した事例が報じられました。世界的な知名度や人気が高まるほど、第三者による“名前の囲い込み”が加速するという皮肉。本人の許諾がないまま商標が出願され、異議や無効の手続きを通じて時間とコストの消耗戦になることもある。
スポーツやエンタメ領域では、個人名やニックネーム、背番号やサイン風ロゴまで含めて、海外主要国で早めに線を張っておくことが実務上の定石になりつつあります。

4. 地域ブランドの国際保護と商標の棲み分け

食品や地域ブランドに関しては、ふだん「呼び名」だと思っている言葉が、海外では“誰かの商標”になってしまう問題が繰り返されてきました。商標と地理的表示(GI)は別制度で、GIは地域と品質の結びつきを守る仕組みです。

たとえば「特産松阪牛」は日本国内でGI登録され、産地条件や肥育日数など厳密な基準で保護されています。いっぽう、海外で「MATSUSAKA」や似た表示が商標として先に押さえられれば、正規の産品側が名称を使いにくい局面が生まれる可能性があります。

だからこそ、GIの国際的な相互保護や、商標との棲み分け設計が重要になります。日本のGIデータベースや農水省の情報を見ても、国内登録だけで安心はできず、輸出先での保護スキームをどう組むかが実務の肝だとわかります。

5. 国境を越えるネーミング戦略の重要性

ここまで読んでいただくと、「日本で通じる“通称”が、海外では通じないどころか他人の権利になっている」という現象が、決して特殊な例ではないことが伝わると思います。制度の基本はシンプルで、権利は国ごと、期間は更新制、分類は区分ごと。しかし現場は複雑で、先取り出願、周知性の立証、混同のおそれ、悪意出願の排除など、国ごとに微妙に違うルールをかいくぐる必要がある。

とりわけ中国のように出願件数が桁違いに多い市場では、“使う予定が見えた段階で先に出願しておく”という姿勢が、最も安価で強力なリスク対策になります。日本の読者にとっては少し遠い話に感じられるかもしれませんが、輸出や越境EC、海外SNSでの人気化が起点になり、ある日突然“海外のほうが先に権利化されていた”という逆転現象は今や日常茶飯事です。

 

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権利の継続性

商標権には“期限”があります。日本では、登録から10年が経つと権利が満了し、更新手続きをしない限り効力を失います。ただし、更新さえ行えば10年ごとに何度でも延長が可能で、理論上は永続的に守り続けることができます。(商標法第19条・20条)

それでも、現実には更新を怠って権利を失うケースが少なくありません。中には、かつて社会現象になったような言葉が、静かに失効していった例もあります。

1. 【期限切れ事例】社会現象になった「女子高生」商標の変遷

その代表が「女子高生」です。1990年代後半、伊藤ハム株式会社は、若年層向けの食品ブランドとして「女子高生」という名称を商標登録しました。当時、“女子高生”という言葉は社会的な流行語で、テレビや雑誌でも頻繁に使われていました。伊藤ハムはその親しみやすい響きを商品のシリーズ名に採用したのです。
しかし、商品展開が短命に終わり、やがて登録の更新時期が訪れても手続きは行われませんでした。結果として、伊藤ハムが独占的に使っていた区分(食品)の商標は、事業終了等に伴い、更新手続きが行われず満了を迎えました。

この事例で重要なのは、伊藤ハムが保有していた独占的権利が、事業上の判断によって更新されずに失効したという事実です。商標が「永遠の権利」ではないことを示しています。ある時代に特定の分野で使われた名称が、更新の意思がない瞬間に独占的権利を失うのです。この出来事は、商標が“継続の意思”によってのみ存続する制度であることを教えてくれます。

なお、現在ではこれとは全く無関係な別の企業が、広告やイベント企画などの分野(異なる区分)で「女子高生」を合法的に商標登録し、利用を開始しています。

2. 「不使用取消審判」というルール

「女子高生」の事例のように更新をせずに権利が満了したケースのほかにも、過去には、使っていた商標を他社に先に登録されてしまったケースや、使っていないことで権利を取り消されたケースなど、さまざまな形で商標の権利を失った例があります。

人気タイトルと商標後追いのリスク
広く知られた人気タイトルや流行語の場合、楽曲名や作品名としての知名度が高くても、商標登録していなければ、その名称は法的保護の対象外です。エンタメ業界では、ヒット後に第三者が関連性の高い商品分野や別区分で、その人気タイトル名を出願してしまう“商標後追い出願”が後を絶ちません。こうした便乗のリスクを避けるためにも、ネーミングと同時に登録が不可欠です。
先行登録の重みと使用の原則
また、長年使用していた名称でも、他社に先に商標登録されてしまうと、元の使用者が使えなくなるリスクがあります。「昔から使っていたから大丈夫」という思い込みは、先行登録が優位となる商標制度においては、極めて危険な考え方を示した典型例です。

 

さらに、商標にはもう一つのルールがあります。それは、使われていない商標は取り消されることがあるということ。
登録から3年以上、継続して実際の取引で使われていない商標は、誰でも請求できる「不使用取消審判」によって権利を失う可能性があります(商標法 第50条)。この制度は、「商標を登録して放置するだけの人」によって言葉が独占されるのを防ぐための仕組みです。

つまり、商標は“取るだけ”では守れず、“使い続ける”ことで初めて生き続ける権利。10年ごとの更新手続きは、その意思を形にする行為なのです。「女子高生」商標も、人気タイトルや先行登録の事例も、どれも共通しているのは、“登録して安心”した瞬間にリスクが始まっているということです。

 

商標の本質

商標と聞くと、多くの人が「他社が使えないようにするための権利」と捉えます。確かに独占的に使用でき、模倣や混同を防げます。
しかし、商標制度の本質は「排除」ではなく、「信頼の維持」にあります。消費者が“あの商品”を選ぶ理由は、デザインでも広告でもなく、「この名前なら安心できる」という信頼感です。

商標法の目的は「誰が提供する商品・サービスなのかを明確にする」こと。つまり、商標とは「出所表示(どこから来たか)」を明示するものです。「このマークが付いているなら、品質は間違いない」という安心感を社会に提供するための仕組みこそが商標制度なのです。

1. 【信頼事例】「魔女の宅急便」とヤマト運輸の素敵な協業

登録商標をめぐる有名なエピソードに、スタジオジブリの『魔女の宅急便』があります。原作者の角野栄子さんは、「宅急便」がヤマト運輸の登録商標であることを知らずに使っていました。通常であれば商標の無断使用にあたる可能性があります。

しかし、ヤマト運輸は、この作品が持つ温かさと世界観を理解し、訴えるどころか逆に映画のスポンサーとして協力することを決めました。結果として、「魔女の宅急便」は正式にヤマトの協賛を受け、黒猫のロゴが登場する“公認”作品として公開されました。

この話が教えてくれるのは、「商標は敵ではなく、理解すれば味方になる」ということ。守るための制度が、きっかけ次第で“つながる関係”を生むのです。

2. 商標は「信頼を積み重ねる入れ物」

商標は、品質を保証し、選ぶ手がかりを与え、企業の誠実さを社会に可視化するためのサインなのです。登録商標を持つことは、その名前のもとに提供する品質と体験に責任を持つことを意味します。
老舗の和菓子店が100年以上にわたり同じ屋号を使い続けているのは、味や製法だけでなく、「その名前を汚さない努力」を重ねてきたからです。

一方で、その信頼を悪用しようとする動きもあります。有名ブランドに似た名前やロゴを使って、あたかも同じ品質であるかのように見せる模倣ビジネス。それを防ぐために、商標登録は「信頼の盾」として機能します。商標登録は、権利者を守るだけでなく、消費者を“偽物から守る”ための制度でもあるのです。

一度信頼を失ったブランドは、商標が残っていても価値を保てません。どんなに有名でも、不祥事や品質問題で信頼を裏切った瞬間、その名前は「避けたいブランド」に変わります。つまり、商標とは“信頼を積み重ねる入れ物”。名前そのものに力があるのではなく、その名前をどう扱うかが、信頼という中身を育てるのです。

商標制度は、企業の努力が正当に評価される仕組みであり、信頼が経済を循環させるためのルールなのです。商標の本質を一言で表すなら、それは「独占」ではなく「継続」です。信頼を積み重ね、品質を維持し、名前を守り続けること。そのプロセスこそがブランドづくりの本質であり、商標の存在理由です。

3. ブランド資産としての商標

ブランド価値というと、ロゴや広告イメージを思い浮かべがちですが、実は「商標」こそが最も直接的なブランド資産です。なぜなら、商標は財産権として売買や譲渡ができるからです。
人気アプリの名前や、有名なキャッチコピーが高額で取引されるのも、商標登録があってこそ。登録がなければ、法的に価値を証明することすらできません。

つまり、商標登録とは「ブランドの通貨化」。目に見えないアイデアを、正式な財産に変える行為なのです。

 

現場のリアル

新商品や新サービスの立ち上げで最も盛り上がる「ネーミング会議」ですが、そこには必ずと言っていいほど法的な観点が抜け落ちた“落とし穴”が潜んでいます。

1. 現場で繰り返される4つの失敗

「検索して出てこない=使える」という誤解
Google検索やSNS検索でヒットしなくても、商標データベースに登録されていても、まだ市場で使われていない名前はたくさんあります。
商標権は「使っているかどうか」ではなく、登録しているかどうかで決まります。検索に出てこないのは「知られていないだけ」であって、「誰も使っていない」とは限らないのです。安易に採用してしまい、あとで弁理士に止められるというケースが繰り返されています。
音の近さを軽視する
ロゴデザインが先に決まり、「スペルを少し変えたから大丈夫だろう」と思ってしまうのが危険。
たとえば「Qonnect」「Phenix」「Luminne」といった造語でも、発音や語感が似ていれば、登録拒絶や異議申立の対象になることがあります。商標審査は、見た目よりも“音の近さ”を重視するため、カタカナや英語表記の微妙な違いでは逃げ切れません。
社内ブランドの競合
グループ会社や事業部ごとに似たような名前を乱立させた結果、自社内で商標が競合するという珍現象も。「フレッシュ〇〇」「フレッシュ+α」などを複数展開すると、統一感がある反面、商標的には混同を招きやすくなります。ブランディングとしての一貫性と、法的な区別をどうバランスさせるか――これも現場でよく議論になるポイントです。
スケジュールの圧力による安易な妥協
「来週には印刷入稿」「明日にはドメインを取らないと」といった状況の中で、候補が絞りきれず、最後は“なんとなく無難な案”に決まる。
ネーミングは「思いつく」ではなく「練る」作業。時間を削るほど、リスクは比例して増していきます。

2. 理想的なネーミング設計のポイント

実務の中で最も大きな違いを生むのは、調査のタイミングです。
多くの企業が、デザイン・企画が固まった後に商標調査をします。しかし、理想はその逆。「候補を出した段階で、すぐに簡易調査をかける」これをルール化するだけで、手戻りが劇的に減ります。

ネーミングは感性と戦略の交差点。良い名前を作るには、アイデアだけでなく、法的リテラシーも必要です。感性の自由さを損なわず、法的安全性を確保する。そのバランスが取れたとき、初めて“強いブランド”が生まれます。

 

名前を決める前に、未来を想像しよう

名前は一度決めたら、長い年月を共にします。
5年後、10年後、その名前がどんな場所で、どんな人に使われているか。その未来を思い描きながら決めることが、最も確実なリスク対策です。

商標は“考える前に申請する”のではなく、“考える段階で意識しておく”もの。それだけで、ネーミングの質も、ブランドの未来も、確実に変わります。
ネーミングは、企業の個性そのもの。そこには創業者の想い、スタッフの願い、お客さまへの約束が込められています。商標登録は、その想いを形にして守るための制度です。

「いい名前が浮かんだ」――その瞬間こそ、商標のことを思い出してください。
そして、法的な安全性を確認したなら、次はその名前を世に広めるフェーズです。
私たちがお手伝いできるのは、「良いネーミングを、社会の隅々まで届け、広く認知させる」という部分です。クリエイティブな発想と戦略的な知恵の両面から、あなたのブランドを丁寧に育てます。
あなたの“名前”が、10年後も20年後も愛され続けるように。

 

運営者情報

運営者
株式会社キョウエイアドインターナショナル
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