2025年11月17日

その他

「選ばれる会社」になるためのマーケティング ― 信頼づくりを仕組み化するポイント

お客様があなたの会社を「知っている」だけの状態から、「選びたい」と感じてもらうまでには、もう一歩必要です。

その一歩こそが「信頼づくり」です。どれだけ良い商品やサービスを提供していても、信頼がなければ購買や契約にはつながりません。

本記事では、その信頼を偶然ではなく、仕組みとして積み重ねるための考え方を解説します。

(参照:「小さな会社こそ取り組むべき「仕組み」としてのマーケティング」)

 

信頼づくりは「仕組み」で積み重ねるもの

中小企業のマーケティングにおいて、顧客からの信頼獲得は事業継続の生命線です。しかし、多くの企業では、この信頼を得るプロセスが「属人的」なものになってしまっています。特定の営業担当者や顧客対応のスペシャリストに依存していると、その人が不在になったり、組織が拡大したりするにつれて、一貫した顧客体験を提供することが難しくなります。

一方「選ばれる会社」では、特定の個人に依存することなく、「誰が対応しても誠実である」「どの接点においても安心感がある」と顧客に感じさせることができる「仕組み」を実現しています。属人性を排除し、組織全体で統一された品質と対応を担保することで、揺るぎない顧客からの信頼を築くアプローチです。

ここでは、この「仕組み化された信頼づくり」を実現するための3つの重要なポイントを具体的に見ていきましょう。これらのポイントを実践することで、長期的な顧客エンゲージメントの基盤を作りあげることができます。

 

① 一貫した情報発信で「言っていること」と「やっていること」を揃える

信頼を得る第一歩は、発信と実態のズレをなくすことです。

会社のホームページやSNS、ブログ、パンフレットなどで発信しているメッセージと、実際のサービス体験が一致していないと、顧客はすぐに不信感を抱いてしまいます。

小さな発信でも一貫性が大事

「うちは宣伝なんてしていない」という企業でも、必ず何かしらの発信はしているはずです。広告を出したり展示会でパンフレットを配布したりしていなくても、ホームページがある会社は多いでしょう。そのHPに掲載されている文章、またWebや紙に限らず、営業担当者の話し方、名刺交換時の印象など——すべてが発信されるメッセージです。

小さな言葉の一貫性が積み重なり、企業イメージが形づくられていきます。

企業のメッセージと行動が一貫している

企業が掲げる想い(理念、ビジョン、提供価値など)と、実際の行動(製品・サービス、お客様への対応、社員への接し方など)に矛盾やズレがあると、お客様や市場は不信感を抱いてしまいます。例えば、会社の理念が社員に共有されていなければ、一人ひとりがどんなに丁寧な仕事をしていたとしても、会社全体として一貫した行動には繋がりません。

会社のメッセージと行動に一貫性がある企業には信頼が集まります。信頼は、お客様に選ばれ続けるために大切な要素です。

【成功例1】地域密着の工務店が“誠実さ”を発信

工務店A社では、現場での取り組みや社員の人柄をInstagramで日々発信。

“見せる現場”を心がけることで、「この会社なら誠実に対応してくれそう」という声が増え、紹介案件が2倍に。

派手な広告よりも、“日常の誠実さ”を見せ続けることが、最も強い信頼の種になりました。

 

② 顧客の声を「集めて・活かす」仕組みをつくる

信頼づくりに欠かせないのが、第三者の声=社会的証明です。

レビューやお客様の声、導入事例などは、他者の体験を通して「安心感」を提供します。

声を“活かす”仕組みを整える

単にレビューを集めるだけでなく、集めた声を、

・ホームページに掲載

・SNS投稿で紹介

・社内共有して改善に反映

といった社内・社外での“循環”をつくり、活かすことが大切です。

ホームページやSNSに掲載された「顧客の声」は、購入を検討している見込み客が自社の商品・サービスをより深く理解し、購入の選択をするための助けになります。

また、クレームや改善要望であっても、それにきちんと対応することで「信頼を育てる素材」になります。誠実な対応は、むしろファンづくりのきっかけになります。

【成功例2】顧客アンケートを営業に活かした印刷会社

印刷会社B社では、納品後にアンケートを実施。満足度だけでなく「改善点」も丁寧にヒアリングしました。

集まった声をチームで共有し、翌月には改善を即実行。その繰り返しが「いつも進化している会社」という印象を生み、継続取引率は20%アップ。

信頼は、日々の“聞く姿勢”の積み重ねで生まれます。

 

③ 「約束を守る」文化を育てる

どんな仕組みよりも強い信頼構築の方法は、約束を守ることです。

ビジネスにおいては当然のことのように思えますが、案外できていない会社も多いのではないでしょうか?

納期を守る、連絡を怠らない、見積もりを正直に出す——このような当たり前の積み重ねが、顧客に安心感を与えます。

信頼の文化を社内に根づかせる

中小企業では、ひとりの対応が会社全体の印象を左右します。

「対応が早い」「誠実だった」という体験は、そのままリピートや紹介につながります。

逆に言えば、ひとりの不誠実な対応が、会社全体の印象になってしまいます。

全社員で“信頼の文化”を共有し、仕組みとして定着させるよう心掛けましょう。

【成功例3】清掃業C社の「当たり前を徹底する」仕組み

清掃業を営むC社では、「作業後の報告写真を必ず送る」「翌日にはお礼メールを送る」ことを全スタッフに徹底しました。

顧客の顔が見えない環境での作業も多く、この小さな行動の積み重ねが「きちんとしている会社」という信頼につながり、競合より高単価でも選ばれるようになりました。

また、スタッフ一人ひとりも、顧客とのコミュニケーションがあることで、より丁寧な仕事を心掛けるようになりました。

“約束を守る”という当たり前の強さが、最も確実な信頼づくりの手段です。

まとめ ― 信頼を積み重ねる仕組みを持とう

信頼づくりは感覚やセンスではなく、仕組み化することで誰にでも実践できます。
・メッセージと行動の一貫性を保つ

・顧客の声を活かすサイクルを回す

・約束を守る文化を育てる

この3つの仕組みが整えば、「誠実で安心できる会社」という印象は自然に広まります。

「知られている会社」から「一目置かれる会社」へ――

信頼を軸にしたマーケティングこそが、選ばれ続ける企業の共通点です。

 

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