谷中 優太

本社
CPC

取材日:2023年1月20日

公開日:2023年3月15日

ノーブルな視線で
先を見据える人

従来の営業手法に加えて拡がる可能性

2022年10月からスタートしたキョウエイアドのツイッター。
そこでは全国の拠点から寄せられた各地の様子や交通広告にまつわる情報、その日の昼食といったカジュアルな話題も発信されている。

そんな企業アカウントを運営管理し、「中の人」としてネタ集めに奔走しているのが、2022年4月に広報担当として営業局から異動してきた谷中だ。
彼が所属するCPC(コミュニケーションプランニングセンター)は各種マーケティング施策および営業支援を業務としている。


2023年現在、CIサイトのトップページで流しているアニメーションのキャッチコピー「Colorful and Fun!」は広報業務の一環として彼が手掛けた。

「サイトのコピーは、外部へのメッセージであると同時に全社へのアナウンスでもありますから、自分の発案をどう受け止めてくださっているのか、少し緊張を覚えます」

そうした業務に携わることと並行して、SNSメディアを立ちあげようという機運が社内で高まるなか、以前からSNSに親しんでいた谷中に運用者として白羽の矢が立った。

「他のSNSと比較してツイッターが自社のやりたい方向性にあっていると考え、事業化の承認を得るために経営層の方々に向け、社内プレゼンをやらせてもらいました。
成果が見えにくいものなので、数字で説明するために段階ごとに目標とするフォロワー数を設定、何をやるべきかというポイントをお話しました」

プレゼンでは明快な要旨が評価・理解され、経営層の了解をとりつけることができた。
「大学は文学部の人文ジャーナリズム学科で、授業やゼミでプレゼンをよく行っていた経験が役立ったようにおもいます」


こうして漕ぎ出したツイッターは、当初の計画通りフォロワーを増やしている。
「売上につながるお客さまと接点をつくるのがひとつのゴール。まずは興味をもってくださる、いわゆるファンづくりが大切です。
昨年のクリスマスには1000フォロワーを達成しました」

1000のフォロワーがいるということは、1000件のリード獲得の可能性を手にしたと考えることができる。親密の度合いを深めれば、商材の案内も容易になる。

広報担当として社内外に果たせること

SNSを営業に活用するメリットとは、どのようなことが挙げられるのだろう。
「アカウントの知名度が上がると、コミュニケーションのきっかけになりやすく、これまで接点のなかったお客さまとつながりをつくることも可能です。
DM機能を駆使すれば、広報担当や決裁者とも連絡が取りやすく、実際にツイッターを通じた営業手法を成約に結びつけている社員もいます」

SNSでは頻繁な情報の更新が求められる。
「土日も含めて毎日最低1投稿、多いときは3投稿することも。天気や食べ物など平易な内容から、話題になっている街の広告、交通広告の活用法などさまざまです。
広告の掲載事例の紹介や、社内のデザイナーによる交通広告のデザインのポイント解説も発信する予定です。
また、マニアックなテーマも無視できません。何がトリガーとなって注目されるか分かりませんから、常にアンテナを張っています」

社外に向けた情報発信ではあるが、社内のコミュニケーションツールとしても機能すると考えている。
「社員の方々の協力を仰いで全国に拠点があることを表現したく、支社長の方々に説明する機会をつくってもらい、社内の情報共有システムには専用のスペースを設けています。
画像1枚と短い説明文があれば、どんなネタでも大歓迎です。
四国・高松から送ってもらったうどん、西武線の田無駅のイルミネーションの情報など、とてもありがたかったです」

そうしたビジョンの延長線で、オンラインの社内報を発行してみたいというアイデアがある。
各地で活躍する社員の姿を伝えることで社の一体感が増し、全社キャンペーンなどにプラスに作用すると考えている。

リスク管理と自社ビジネスへの有用性のバランス

幾多の炎上騒ぎが耳目を集める企業や組織のSNS。「中の人」の責任はなかなかに重い。
「内容や表現によって自社のブランドを損ねないことには特に気を配っています。
そして、自社の事業領域に発信内容をうまくリンクさせることでツイッターを売上につなげ、営業の一線で活躍する社員の皆さんからの信頼を得たい。そうすれば営業の現場でのSNSの活用も進むでしょう。コンテンツの質の向上も目指したいです」

休日には、車を駆って遠出する。
「静岡あたりまで足を伸ばすことが多いです。
地元で人気のラーメン屋を訪れたり、旅先で購入した日本酒を自宅で味わったりしています。
京都の宇治や富士の山麓もよく訪れます。自分の趣味であるアニメの舞台となった場所を訪れる、いわゆる<聖地巡り>です。
また、スキーは幼少期より親しんでいます。とにかく普段とはちがった非日常を味わうことが好きなんです」


気がつくと旅先で撮った写真には富士山が多く写っている。海原や山嶺の連なりといった茫洋とした空間の先にある揺るぎない存在。谷中は試行錯誤の先の確固としたイメージを見定めている。

(了)