

社内コミュニケーションの場づくり
企業が行うコミュニケーションは2つに大別できる。ひとつが日々の営業活動や広報業務、各種の情報発信などのアウターコミュニケーション、そしてもうひとつが社内の情報や価値観の共有を業務の向上に活かすインナーコミュニケーションだ。
キョウエイアドではコミュニケーションの在り方を経営の大きな柱としてきたが、インナーコミュニケーションにおいて「情報交換会」の実施を通し、社員を繋げる試みを継続しているのが北村だ。

官公庁関連のイベントスタッフとして当時新宿にあった本社に入社。各種のサポート業務をこなした後、立川営業所(現在の立川オフィス)で営業の仕事に就く。その後営業所長(現在はオフィスリーダーという呼称)に着任、2024年に札幌支社に移り、自らの営業活動と並行して後進の指導にあたっている。
自身が発案した全国の社員が参加するオンラインの「情報交換会」は、当初上長の助けを借りて2021年にスタート。好感触が得られ継続が決まり、そのタイミングでファシリテーターを希望。以来、100以上の回数を重ねている。
現在北村から直接指導を受ける札幌支社営業部の前田樹利(まえだ・じゅり)は親しみを込めた表情でこう話してくれた。
「あなたらしく、楽しく働く。そして100%伝える努力を。この言葉を胸に最近お仕事の手応えを感じはじめています。時にはガールズトークに花を咲かせる、私にとっては頼れるお姉さんのような存在。情に厚く、人のためにここまで親身になってくれるのか、という方です。」
細やかに気を配り、楽しんでもらい、何かを得てもらう。北村は他者の感情に向き合う力に長けている。

前田樹利 札幌支社 営業部
コミュニケーションのハブとして
情報交換会のテーマは多岐にわたる。
「営業の方の参加が多いのでセールスの成功事例や、特別なケーススタディ、高額案件の担当者にアプローチの方法や経緯、今後の展開などをお話してもらいます。入社間もない方向けの営業の基礎がテーマとなる場合も多いです。様々な商材の説明や企画案件についてのブレスト、社内表彰式で表彰された方に感想を聞かせてもらうこともあります。」
また、「Session」と称される全国の事業所から人を募る営業イベントや、自社における女性の働き方もテーマに採り上げている。
「仕事と育児の両立に悩んでいる女性社員って結構いるのでは、と考えたのがきっかけでした。子育てしながら働くことの苦労や工夫などに触れられる、共感を大切にした時間は、モチベーションの向上につながったと思います。」
同じ職場で働く人の気持ちの実際には、とても大きな価値がある。
情報交換会は、営業会議のように売上に直結するものではない。「続けることに疑問を感じた時もありましたが、後輩から毎回楽しみにしていますと声をかけられ、前向きな気持になることができました。」
北村は悩みながら社内コミュニケーションの密度と質を高め、営業活動の根源に切り込む努力を続けている。そうした歩みは、個々人が力を発揮する組織であろうとする、社が目指す方向と軌を一にしている。

人を愛する技術を伝える
立川オフィスで共に時間を過ごし、現在さまざまな立場で活躍する後輩社員たちは、北村の印象をこう語る。
宮川巧(みやかわ・たくみ) 千葉オフィス 営業部
「受け手の側に立って考え、パッションをもってしっかり伝える。手探りの状態であっても、とにかく何かしようとする。明快な意思がある行動原理の持ち主です。社内コミュニケーションは風通しだと思います。吹くと方向が決まる。北村さんは社内に風を吹かせています。」
小谷亮介(こだに・りょうすけ) 立川オフィス 営業部
「北村さんが結んだ契約は付き合いが長く、人柄込み。人のつながりの大切さを、例えば『返事の仕方ひとつとっても受け取られ方が違う』と教えられました。情報交換会では気兼ね無く話せる熱気を帯びた雰囲気をつくる。大きな学びになりました。」
山本哲平(やまもと・てっぺい) 本社 メディア部
「営業では実際に目の前にお客さまがいるイメージであきらめずに電話をかけ続けること、主体的、積極的にコミュニケーションをとることを指導いただきました。『細かな気配りができる』と評価してくださった方です。」
休日は気晴らしにショッピングに興じ、ネイルや美容室に通うが、自宅でのんびり過ごしていることが多い。ゴルフのスクールに通っているが「呆れるくらい」上達しないのが目下の悩みだ。

「若手がどんどん発信できる環境をつくり、能動的に行動できる人を育てたい。きちんと見守ってくれる上長が、評価して受け止めてくださるからできることです。情報交換会のような活動をもっと全社に広げ、自分自身も周りの人たちに良い影響を与えられる存在になりたい。イベントに関わることが好きなので、企画コンペにも積極的に参加したいです。」
彼女のコミュニケーションを為す「人を愛するための技術」は、人に、そして人と人のあいだに温かさを注いでいる。(了)


